日本男道記

ある日本男子の生き様

手紙

2006年05月27日 | 読書日記
手紙

毎日新聞社

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【一口紹介】
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本格推理から学園ミステリー、パロディー小説や絵本など、さまざまな作風で読者を魅了しつづける著者が、本書でテーマに据えたのは、犯罪加害者の家族。犯罪が、被害者や加害者だけではなく、その家族にまで及ぼす悲しい現実を見据えた意欲作である。殺人犯の弟という運命を背負った高校生が成人し、やがて自分の家族を持つにいたるまでの軌跡を、大げさなトリックやサスペンスの要素を用いることなく、真正面から描ききっている。
武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で、思いもかけず人を殺めてしまう。判決は、懲役15年。それ以来、直貴のもとへ月に1度、獄中から手紙を送る剛志。一方で、進学、恋人、就職と、つかもうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく直貴。日を追うごとに、剛志からの手紙は無視され、捨てられ、やがて…。

1999年に刊行された『白夜行』以降、著者は『片想い』 『トキオ』など、連載小説という発表形態を通じて、読み手を飽きさせないだけのストーリーテリングの実力を確実に身につけてきた。新聞連載された本書も、バンドデビューや窃盗事件などの出来事を積み重ね、そのつど揺れ動いていく直貴の心の危うさを巧みに演出しながら、物語を引っ張っていく。しかしながら読み手は、たえず居心地の悪さを感じずにはいられないだろう。なぜなら、直貴に向けられる差別は、私たち自身の中にも確実に存在するものだからである。「差別や偏見のない世界。そんなものは想像の産物でしかない」と言い切る直貴の言葉が、ずっしりと心に響く。(中島正敏)

内容(「MARC」データベースより)
兄は強盗殺人で服役中。その時、弟は…。断ち切られた兄弟の絆。希望なき世界を彷徨う人生。いつか罪は償われ、傷は癒されていくのだろうか。『毎日新聞』日曜版連載、待望の単行本化。

【読んだ理由】
「容疑者Xの献身」に続いての東野圭吾作品。  

【コメント】
自分を守るために殺人犯となり、刑務所にいる兄から届く、月に一度の手紙。「人殺しの弟」と呼ばれ、恋人、仕事、夢までも奪われ、差別され続ける弟。過酷な運命に翻弄された主人公が、再び夢に向かって歩き始める感動の兄弟愛の物語。
刑務所の慰問コンサートで客席の中で合掌している兄の姿を見ながら、弟が「イマジン」を歌う終章には目頭が熱くなった。本読んでのこんな体験は久しぶりだ。来年、2007年の映画化が楽しみ。

「地図をすいすい動かしてグルメなお店を探そう」



Daily Vocabulary(2006/05/27)

2006年05月27日 | Daily Vocabulary
2186.tumor(腫瘍、《病理》できもの)
They successfully removed a tumor from his brain.
2187.dedicated(献身的な、打ち込んでいる、熱心な、ひたむきな)
He is a dedicated Muslim.
2188.infection(感染、伝染病)
The doctor used new medicine to prevent the infection from spreading.
2189.by leaps and bounds (急速に、飛躍的に)
Our two children have been growing by leaps and bounds.
2190.what counts most (一番大事[大切]なのは~である)
Friend who have let go of smoking tell us that what counts most is a sensible geme plan.
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