![]() | 菜の花の沖〈5〉文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
内容(「BOOK」データベースより)
ロシアは、その東部の寒冷地帯の運営を円滑にするために、日本に食糧の供給を求めた。が、幕府が交易を拒絶したことから、報復の連鎖反応が始まった。ロシア船が北方の日本の漁場を襲撃すれば、幕府も千島で測量中のロシア海軍少佐を捕縛する。商人にすぎない嘉兵衛の未来にも、両国の軋轢が次第に重くのしかかってくる…。
【読んだ理由】
「播磨灘物語」に続いての司馬遼太郎作品。
【印象に残った一行】
『日本人の倫理には、方便としてのうそは背徳的ではないということがある。しかしながら真剣な外交交渉の場で、こういうわなを設けたのは、この民族の汚点の一つであろう。日本人は、その後も、しばしば外交交渉が緊張すると、西欧の倫理からみれば「背信」と見られがちなことをした。その後の日露戦争および日米開戦の不意打は、ながくこの民族の外交上の悪癖(平時はおとなしいが、緊張状態になると、目的のためみずからの信用を泥の中にすててしまう)を歴史的に印象づけた。
「信」
というものが民族の第一義の財産であることを思うには、自らがひ弱過ぎ、西洋人が強すぎると考えているからであろう。弱者は強者に何をしてもいいと思っているのか、外国人との接触が少ないために、かれらの強大さが悪魔的に見え、悪魔には人間のモラルは要らないとおもっているのか、いずれにせよ、この場合も、陋劣な手段を講じた』
【コメント】
日本と当時のロシアとにこのような時代があったとは浅学にして知らなかった。

