グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する文春新書このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
■内容(「MARC」データベースより)■
既存のビジネスとそれを支えた価値観が次々と破壊されている。
その担い手は、検索エンジンの怪物・グーグル。
なぜグーグルはそれほどのパワーを持ち、そしてどのような影響を社会に与えようとしているのか、そんな疑問に迫る。
【読んだ理由】
ある有名評論家を講演にお招きし、主催者として控え室にご挨拶に伺ったおり、講師の方がこの本を読まれていた。
【印象に残った一行】
『しかしグーグルは三百年かかろうとも、長い時間をかけて世界中の情報をデータベースに収めようと考えている。グーグルはすべての情報を貪欲に呑み込みつつあるのだ。
グーグル日本法人の村上憲郎社長も、同様の発言を行っている。2006年1月31日に開催された「インターネットNext Stage」というシンポジウムで、こう話した。
「グーグルは世界の全データをオーガナイズする(体系づける)という)目標を掲げている、世界には500万テラバイトの情報量があり、これまでにデータ化が完了しているのはまだ一パーセント。これをどのように達成するのか、グーグル社内で議論を重ねている。(中略)しかし、2009年にはおそらく、「人類の知」と呼ばれるような分野のデータはすべて検索可能になっている。透明性の高いパーソナライズを実現するために、ユーザー自身のことを教えてもらいたい。そして、何かを聞かれたらグーグルが即答できる環境を造りたい」
さまざまなコンテンツや記事、さらにはありとあらゆる個人情報がネット上に蓄積されつつある。
最近インターネットの本質はデータベースじゃないか」といった意見もネット業界の中から出てきている。』
【コメント】
「グーグルは、強力な広告ビジネスを背景に、古い世界の秩序を壊し、伝統的な企業のビジネスを破壊している。
グーグルは、ロングテールによって中小企業を再生させ、新たな市場を創出しようとしている。
グーグルは、人々の情報発信を手助けし、企業や政府などの強大な権力と同じ土俵に上がらせようとしている。
しかし、その一方で、グーグルはそれら新しい秩序の中で、すべてをつかさどる強大な司祭になろうとしている。
それは新たな権力の登場であり、グーグルにすべての人々は切れ付さなければならなくなるかもしれない。
・・・私がこの本で描こうとしたのは、そういうことだ」
と著者があとがきに書いているとおり、「既存のビジネスを破壊する」グーグルの今と今後の戦略が、解りやすく、見事に描かれている。
一読をお奨めしたい。