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【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
竜崎伸也、四十六歳、東大卒。警察庁長官官房総務課長。
連続殺人事件のマスコミ対策に追われる竜崎は、衝撃の真相に気づいた。
そんな折、竜崎は息子の犯罪行為を知る―。
互いに自らの正義を主張するキャリアとキャリアの対立。
組織としての警察庁のとるべき真の危機管理とは。
◆内容(「MARC」データベースより)◆
警察組織を揺るがす大事件に直面したエリート・キャリア。
組織を、そして自らを守るために、彼が下した決断は…。
霞ケ関の本庁舎でキャリアの孤立無援な闘いが始まった。
警察小説の新天地を拓く書下ろし長編。
【読んだ理由】
第27回(平成18年度)吉川英治文学新人賞受賞作。
【印象に残った一行】
『そうだ。作られた世界だ。日本の国民はマスコミによって、今何が流行っているか、何が一番面白いか、だれが一番人気があるか・・・。そういうことだけに関心を持つように仕向けられている。テレビでも新聞でも、本当に大切なことは報道しない。事件報道でも、俺たち警察が発表したことだけ報道する。政治に関して言えば、もっと極端だ。本質は常に隠されている。国民はさまざまなブームに踊らされ、そうした大切なことから目をそらすようにコントロールされている』
『普段、報道の自由などと偉そうなことを言ってはいるが、所詮新聞など売上競争をやっているに過ぎない。あるいは、名誉のために、抜いた抜かれたを競っているだけなのだ。崇高な報道の理念などは、口先だけに過ぎないと竜崎は思っている』
『人間にとって大切なのは愛情だとよく言われる。だが、愛情などは犬猫だって持ち合わせている。犬や猫だって子どもを慈しむ心を持っているし、飼い主に対する忠誠心や親しみの感情を持っている。つまり愛情だ。男女の間に交わされた情愛は、それこそ動物の感情だ』
『どんなにつらくても、たえなければならないときがある。それが生きていくということだ』
【コメント】
職場で、家庭で使命感に燃えるキャリアとしての自らの信念に基づき行動した主人公に爽快感が感じられたが、さて現実は・・・・・。

