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【一口紹介】
◆出版社 / 著者からの内容紹介◆
大人気小説「バッテリー」。
あの伝説の試合がここに──!!
全国劇場公開される人気小説「バッテリー」。
その中でも屈指の人気キャラクター・瑞垣の目を通して語られる、巧、豪、門脇らのその後とは──。ファン待望の小説がついに登場!!
【読んだ理由】
映画化された人気小説「バッテリー」の著者あさのあつこ作品。
【印象に残った一行】
未知の己を知っていく事の快感。覚えがある。丈の高い葦原を抜け、ふいに煌めく川面をみたような、眩しい世界が眼前に現れたような快感だ。
自分を阻む物など何もないようで、阻む物があったとしても、そんなもの容易く突破して、なお伸びていける。自分を心底、信じられる。
他者でなく自身に己を誇ることができる。快感としか呼びようのない感覚だった。
人が自由であることなどありえない。いつだって、どこでだって、人は何かに繋ぎとめられて喘いでいる。いや、国境を越え、空を越え、空を翔破した鳥だとて、大海を回遊する魚だとて、自由であろうはずがない。縛られ、従い、まつろうことを強いられる。人はなおさらだ。どう足掻いても、完全に解き放たれるわけがない。足掻き続け、もがきつづけていくしかないんだ、だからせねて、目を背けてもいいではないか、しゃがみこんでも、背を向けて逃げてもいいではないか。
【コメント】
若かりし、私の青春時代が甦る。