舟を編む | |
クリエーター情報なし | |
光文社 |
【一口紹介】
◆商品の説明◆
2012年本屋大賞 大賞受賞
◆内容紹介◆
玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。
個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。
しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。
言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説。
◆出版社のコメント◆
言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを
謳いあげる三浦しをん最新長編小説。
【辞書】言葉という大海原を航海するための船。
【辞書編集部】言葉の海を照らす灯台の明かり。
【辞書編集者】普通の人間。食べて、泣いて、笑って、恋をして。
ただ少し人より言葉の海で遊ぶのがすきなだけ。
玄武書房に勤める馬締光也。
営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、
辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。
定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、
徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。
個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。
しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。
【読んだ理由】
本屋大賞受賞作品
【印象に残った一行】
「辞書は、言葉の海を渡る船だ」
魂の根幹を吐露する思いで、荒木は告げた。「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に
浮かびあがる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに
届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほ
かはないだろう」
「海を渡るにふさわしい舟を編む」
松本先生が静かに言った。
たくさんの言葉を、可能なかぎり正確に集めることは、歪みの少ない鏡を手に入れることだ。
歪みが少なければ少ないほど、そこに心を映して相手に差しだしてとき、気持ちや考えが深く
はっきりと伝わる。一緒に鏡を覗きこんで、笑ったり泣いたり怒ったりできる。腕
どんなに少しずつでも進みつづければ、いつかは光がみえる。玄奘三蔵がはるばる天竺まで
旅をし、持ち帰った大部の経典を中国語訳するという偉業を成し遂げたように。禅海和尚が
こつこつと岩を掘り抜き、三十年かけて断崖にトンネルを通したように。辞書もまた、言葉
の集積した書物であるという意味だけでなく、長年にわたる不屈の精神のみが真の希望をも
たらすと体現するしょもt書物であるがゆえに、ひとの叡知の結晶と呼ばれるにふさわしい。
【コメント】
地道な辞書作りの裏側が解って興味深かった。