![]() | 天使の子 |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
心揺さぶられる衝撃の愛のかたち。28歳のわたしがアメリカ留学中に出会った彼。
惹かれあう2人だが彼にはある秘密があった―。実話を元にして書き下ろされた問題作!
◆内容紹介◆
愛することは受け入れること――。
28歳わたしがアメリカ留学先で出会った底抜けに明るく温かいダニエル。
惹かれていく2人だが、彼には秘密があった。愛と性、そして生。衝撃の問題作。
心揺さぶられる衝撃の愛のかたち。
実話を元にして書き下ろされた問題作!
● 著者より
ニューヨーク州の片田舎で私がこの事件に遭遇したのは、今から十年ほど前のことでした。
ひとりの女性として、人の子として、私は事件に興味を抱き、吸い寄せられるようにして、取材を始めました。
けれど、当事者や関係者の話を聞けば聞くほど真実は遠ざかってしまい、書くことを封印したまま、長い歳月が流れました。
そんなある日、ふと手に取った古い詩集を開いた時、この小説の一行目が舞い降りてきたのです。
まるで光に包まれた天使のように。
【読んだ理由】
アップルソングに続く小手鞠るい作品。
【印象に残った一行】
たとえばきみたち一般人は、町で障害者をめにすると「ああ、可哀想。でも良かった。自分はああじゃなくて」って思うだろう。あからさまに顔をしかめたりする人もいるよね。でも僕らはしない。絶対にしない。だって障害というのは、本人の選択したことじゃないんだから。それは、受け入れることしかできないものなんだ。本人の一部、いやその人自身でもあるんだ。
人はいろいろなにのを自分で選ぶことができる。いろいろなことを決めることができる。安楽死するか、しないか、産むか、産まないか、そんなことまで選んで決めることができる。でもたったひとつ、誰にも選べない、決められないことがあって、それは、人との出会い。私たちは、別れは選べても、出会いは選べない。だから私たちは、大切にしたいの。この広い世界の中で、あなたという人と巡り合えたことを、神さまにも起こせない、素晴らしい奇跡だとも思いたいの。
【コメント】
何と言っていいのか、読後にこんな感情をもったことはない。作者に感謝、この本に遭遇したことに感謝。