![]() | 猟師の肉は腐らない |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
【一口紹介】
◆内容紹介◆
猟師の知恵に思わず脱帽! こんな豊かな暮らしが山ン中にあるなんて。
世界を巡った末に、故郷・阿武隈の山 奥に戻った猟師の義っしゃん。
愛犬をお供に猪を狩り、岩魚を釣り、灰や煙を使って保存食を作り、冬に備え、危険から身を守る。
蜂も蝮もなんだってご馳走になる。
自然と生きる猟師の暮らしは、先達から受け継がれた様々な知恵と工夫がてんこ盛り。
命の連鎖も身をもって学んだ、驚きの体験記。
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
世界を巡った末に、故郷・阿武隈の山奥に戻った猟師の義っしゃん。
賢い猟犬をお供に猪を狩り、岩魚を釣り、灰や煙を使って肉を保存し、冬に備え、危険から身を守る。
蜂も蝮も木の皮も、なんだってご馳走になる。
過酷な自然との暮らしは、現代人が忘れてしまった様々な知恵と工夫がてんこ盛り。
食の基本、命の連鎖を身をもって学んだ、驚きの記録。
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
小泉/武夫
1943年福島県の酒造家に生まれる。東京農業大学名誉教授。農学博士。専門は食文化論、発酵学、醸造学。
特定非営利活動法人発酵文化推進機構理事長。
現在、琉球大学、鹿児島大学、広島大学大学院医学研究科の客員教授を務めるかたわら、各地の農政アドバイザーなど食に関わるさまざまな活動を展開し、和食の魅力を広く伝えている。
また辺境を旅し、世界中の珍味、奇食に挑戦する「食の冒険家」でもある。
【読んだ理由】
この種の書名には弱い。
【印象に残った一行】
これは、日本でも同様で、今の子どもたちの多くが、かって家々であたり前のように使っていた鰹節削り器を鉛筆削りと間違え、その鰹節を使う正しい出汁の取りかたさえ知らぬ大人がほとんどになり、高地クメール族の人たちが口々に言っていた「楽で美味い白い粉」に、彼らと同じく頼り切っている。その現状を見るにつけ、とても寂しい気持ちになってしまうのである。先代から受け継いだ知恵や技術は、一度途絶えてしまったならば、二度とよみがえらない宿命にある。だからそれを確実に次の世代に受け継いでいくのが大人の大切な役割ではないのか。今日、義っしゃんに作り方を見せてもらって、作っている野兎の灰燻しも、ここで終わらせてしまっては誠に悔しくて惜しいばかりである。
【コメント】
読後、ずっしりと重量感を感じる久しぶりの本だ。
私も、今家にある電化製品が何もない時代に生きて昔のことをよく知っている。
しかし、私の時代で受け継がれてきた日本の伝統を、子供たちに何一つ伝えていないことに罪悪感を感じている。