![]() | 月日の残像 |
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新潮社 |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
疎開先で亡くなった母、早世した四人の兄、父の晩酌、松竹撮影所時代、木下恵介、寺山修司、向田邦子の思い出…。
胸を揺すぶり、深々と沁みてくる、静かな驚きにみちたエッセイ。
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
山田/太一
1934年東京浅草生まれ。脚本家。早稲田大学卒業後、松竹大船撮影所入社。演出部で木下恵介監督の助監督に。65年独立。
以後約半世紀にわたって、『岸辺のアルバム』『早春スケッチブック』『ふぞろいの林檎たち』『キルトの家』など多くの名作テレビドラマを手がける。
88年『異人たちとの夏』で山本周五郎賞受賞。
【読んだ理由】
好きな作家のおひとり。
【印象に残った一行】
亡くなるとみんな集まって、死者のいい思い出を語り合う。当然である。死んだ人は反論できないのだから悪口をいってはいけない。とりわけ弔辞などはいいことずくめになってしまう。中には死んだのをいいことを勝手ないい人に仕立てて、ちょっと蹂躙しているんじゃないかと感じる時もある。リアルな悪口が欲しくなる。そうじゃないと、誰も死者の本当の姿など関心がないようになってしまう。口先の賛辞より情のある悪口の方がましなこともあるにちがいない。
【コメント】
「ふぞろいの林檎たち」は良かったですね。1983年だ。「岸辺のアルバム」は1977年、5年も前だったのか。