![]() | 誰にでも、言えなかったことがある ―脛に傷持つ生い立ち記― |
クリエーター情報なし | |
清流出版 |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
作家・山崎洋子渾身の書き下ろし自分史エッセイ。
祖母の入水自殺、虐待、父の失踪、母との愛憎、自らもまた離婚・再婚、夫の介護、母の痴呆…それでも、66歳の今、生きてきた年月がいとおしい。
◆著者について◆
山崎/洋子
1947年、京都府宮津市生まれ。
コピーライター、児童読物作家、脚本家を経て、1986年、『花園の迷宮』(講談社)で第32回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家デビュー。
ノンフィクション、舞台脚本、演出などにも活動を拡げている。2010年、地域放送文化賞。
【読んだ理由】
新聞の書評を見て。
【印象に残った一行】
こんな境遇に置かれなければ、彼女は鬼になることなどなかったに違いない。そんな邪悪なものが自分の内にあることさえ、知らずにすんだだろう。
しかし、たいていの人たちの心の中には、神も悪魔もいる。その時々の状況に応じて、どちらかが出現する、いつ、何がどんなかたちで出てくるか、自分でも想像がつかないところが恐ろしい。
時として、人は被害者になるより、加害者になる方が辛い。被害者は相手を許せばそれで済むが、加害者は自分で自分を許せない。いつまでも責め続ける。
あるべき位置とは、不安と孤独。表の意識では、もっとも避けたいものだ。なのに、表の意識が、私をそちらに引き戻す。これこそが、トラウマのおそろしいところである。
神経なり精神なりをほんとうに病むと、自分はおかしいから病院で治療を受けよう、というような冷静な判断ができなくなる。周囲にいる誰かが気づいて病院へ連れて行くしかない。私にはそんなことをしてくれる人もいなかった。
自然災害で店が壊されてしまったのなら、それは運命とあきらめもつくかもしれない。だが津波の被害は免れたのに、この店は人間の力で壊されたのだ。窃盗犯の顔をみれば、唇にうっすらと笑みすら浮かんでいる。
【コメント】
「誰にでも、言えなかったことがある」私もある。
でも著者ほどではないと思っているが・・・・。