日本男道記

ある日本男子の生き様

徒然草 第百五十一段

2022年05月10日 | 徒然草を読む

【原文】 
或る人の云はく、年五十になるまで上手に至らざらん芸をば捨つべきなり。励み習ふべき行末もなし。老人の事をば、人もえ笑はず。衆に交じりたるも、あいなく、見ぐるし。大方、万のしわざは止めて、暇あるこそ、めやすく、あらまほしけれ。世俗の事に携はりて生涯を暮すは、下愚の人なり。ゆかしく覚えん事は、学び訊くとも、その趣を知りなば、おぼつかなからずして止むべし。もとより、望むことなくして止まんは、第一の事なり。

【現代語訳】  
ある人が言っていた。「五十歳になっても熟練しなかった芸など捨ててしまえ」と。その年になれば、頑張って練習する未来もない。老人のすることなので、誰も笑えない。大衆に交わっているのも、デリカシーが無くみっともない。ヨボヨボになったら、何もかも終了して、放心状態で空を見つめているに限る。見た目にも老人ぽくて理想的だ。世俗にまみれて一生を終わるのは、三流の人間がやることである。どうしても知りたい欲求に駆られたら、人に師事し、質問し、だいだいの概要を理解して、疑問点がわかった程度でやめておくのが丁度よい。本当は、はじめから何も知ろうとしないのが一番だ。


◆鎌倉末期の随筆。吉田兼好著。上下2巻,244段からなる。1317年(文保1)から1331年(元弘1)の間に成立したか。その間,幾つかのまとまった段が少しずつ執筆され,それが編集されて現在見るような形態になったと考えられる。それらを通じて一貫した筋はなく,連歌的ともいうべき配列方法がとられている。形式は《枕草子》を模倣しているが,内容は,作者の見聞談,感想,実用知識,有職の心得など多彩であり,仏教の厭世思想を根底にもち,人生論的色彩を濃くしている。


Daily Vocabulary(2022/05/10)

2022年05月10日 | Daily Vocabulary
28636. I don't know about ( 微妙 / イマイチ  )
I don't know about this restaurant.
28637.I have mixed feelings about (微妙 / なんとも言えない / 甲乙つけがたい )
I have mixed feelings about this restaurant. The food is great but the service is terrible. 
28638.iffy (あやふやな、疑わしい、条件つきの )not certain to happen SYN doubtful/British English not very good
The weather is iffy today. 
28639.subtle (微妙な / わずかな )not easy to notice or understand unless you pay careful attention OPP obvious 
There's a subtle difference in nuance. 
28640.tentatively (一応 ) not definite or certain, because you may want to change things SYN provisional OPP definite
The event is tentatively planned for July 10th.