【 内容】
乳呑み児をかかえた家来と出奔した妹を斬るために遠国まで追っていった兄は、みじめな境遇におちながらも小さな幸福にすがって生きる妹一家と出会う。静かな結末の余韻が深い感動を呼ぶ表題作。逆境に生きてきた勝ち気の芸者と藩政改革の矢面に立つ若侍との障害をこえた愛「山茶花帖」。ほかに「恋の伝七郎」「いしが奢る」など、武家社会のさまざまな愛の形を中心に10編を収める。
【 著者】
山本周五郎
【読んだ理由】
山本周五郎作品
【最も印象に残った一行】
だが大多数の者はその一つをも自分のものにすることが出来ずに終わってします、それが自然なんだ、なぜなら総ての人間が自分好みに生きるとしたら、世の中は一日として成り立ってはゆかないだろう、人間は独りで生きているのではない、多くの者が寄集まって互いに支え合い援け合っているのだ。
【コメント】
このところ毎晩、YouTubeで山本周五郎作品の朗読を聞きながら寝ている、心安らかに眠れますな。しかし、今回は恋愛ものが多かったが、これもまたよし。