国技館に向う西口と違って両国駅の東口は地下鉄の都営大江戸線に乗り換える人で結構 乗降客が多い。ホイアンは東口から7分ほど歩く京葉道路に面したビルの2階にある。
この日はオーダーの時に相方が パクチー(シャンツアイ)をたっぷり使って下さい、と念を押した。日本人とみるとネギやほかの野菜を使うからだ。
この日は一人客を入れて 我々と同じ時間帯に入れ替わり立ち替わり7組の客がいたが 日本人の客は二組だった。
ベトナム人のシェフ達にホール係もベトナム人のこの店は東京の東部地区に多く住むベトナム人の食事の拠り所なのかと思う。
一椀や一皿のボリュームは中国料理と同じで基本 多人数で飲食する量なのがわかっているので オーダーは2品だけで十分だ。
まずは パパイヤサラダ。なんともおいしい! 現地の調味料をそのまま使っているからニョクマム(魚醬)の味もした。
頼んだ通りパクチー(コリアンダー)はベトナム人の客に出すのと同じように使われて出てきた。
もう一品のメインの麺はブンボーフェ
二品だけのボリュームたっぷりのオーダー品は 全く余すところなく きれいに二人の腹中に納まった(笑)。
最後に蓮茶を飲んでさっぱりした。蓮茶は常連になった日本人客へのオーナーの心遣いだった。
この場では腹いっぱいで食べられないのでテイクアウトでバイミーを頼んで持って帰って夜食にした。
ベトナムはフランスの植民地だった歴史からパンが旨い国でパンを使ったバイミーは定番の食物だ。
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阿智胡地亭便り #32 シャンツアイが茂った 2003.08.16記
*どこの国の空港も 飛行機から外に出るとその空港特有の匂いがします。シンガポール空港(旧空港)のシャンツアイ(香菜)の匂いのように。
(行った人はご存じのように、彼らはどんな料理にも最後に三つ葉かパセリのようにこのハッパをのせます。
シャンツアイは最初あぶらむしの臭いやと思いましたが、すぐに好きになり今も種を買って、夏は家のプランターで栽培しています。
ボク以外家族の誰も食べませんが)
(海外あちこち記---その七から)
今年もベランダのプランターでシャンツアイ(香菜)が青々とした葉をつけている。最初のものは枯らしてしまい、
今のシャンツアイは神戸元町の「ブハラ」というインド料理屋か、六甲道の「上海外灘(バンド)」という中華料理店で食べた帰りに、
袋入りの種を貰ったのがうまく育って毎年開花し、種を取り、代々続いている2代目だ。
先日、相方がプランターから摘み取って台所に持っていくのが、その香りというか匂いですぐわかった。
晩飯は確かニホンメシと言っていたのに何に使うのかと思っていたら、豆腐の澄まし汁に振り掛けて出てきた。何の違和感もなく、
澄まし汁に合う。和食系にも三つ葉の代用でなくそのまま使えるんだと思った。
シャンツアイは強烈な青臭い匂いがするので、中国、台湾、東南アジアへ行くと、半分冗談ながらこれを食べられるかどうかで、
土地に適応出来るかどうかのリトマス試験紙みたいに使われることがある。好きか嫌いかだけだから、嫌なら「シャンツアイ プーヤオ」(香菜不要)と
言えばいいのだが、シンガポールあたりでは何にでも乗せてくるので、慣れた方が早いような気がする。
ボクは一番始めは、ジャカルタのホテルの中華の店のヤキメシの一口で、この変わった葉っぱは何ですかと聞き、これはうまいと思った。
貿易部員として、8年間アジアを担当したが、幸いなことに食べ物で手がでないものは一つもなかった。というか中国人(韓国以外は
東南アジアも基本は華人系食事)が食うものに不味いものはないという思いは強まったし、今でもそう思っている。
1cmの葉っぱ1枚でもいい匂い(ボクにとって)が台所中に漂うほど独特かつ強烈なので、最初は家族に総スカンを食ったが、
一人でチキンラーメンや焼き飯、ヤキソバにも乗せて食べているうちに、家族も慣れてきて今や家族全員がおいしいと食べるようになった。
やはり独特のウマミがあるのだろう。そしてプランターの春の植え付けも相方がしてくれるようになった。
ある曲が流れてくると、子供の頃のある場面が浮かんでくるように、匂いも時々ある状況を思い出させる。
家で匂いがするとスマトラ島のメダンからトバ湖へ向かう山中で、車が道に迷い、時分どきになってしまい、
路傍に一軒だけあった店で食べたホーコー鍋(火鍋)にたっぷり乗っていたシャンツアイを思い出したりする。
今では阪神間の殆どのスーパーで売っている香菜、日本人の何でも試してみて良かったら取り入れる能力は全然変わっていない。
今年も茂ったとさ。