ほぼ千年前に描かれた馬五頭の姿が見たくて青山の「根津美術館」に行った。
当時から優れた馬ははるかアラブから運ばれたのだ。千年前の五頭のそれぞれの馬は筋肉の動きも見えるようで美しかった。
馬喰の一人はシルクロードを渡ってきた中東人のようだ。
千年前の前の紙も画材も絵筆跡も目の前にあった。 そして絵そのものはまるで現代絵画のように思えた。
中国 清王朝の崩壊とともに海外へ流失した中国古来からの幻の名品を観ようとしてか、館内は聞こえる声の95%ほどが中国語なのには驚いた。
その殆どの来館者は日ごろ自分の地元の東京東部五区で日々出会う身近な中国人の方々とは違うハイソサエティの身なりと雰囲気の皆さんだったことにも驚いた。
確かに今回の作品は北京と台北の「故宮博物館」に行っても見ることはできない。
出張したおりの休日に北京と台北で入館した「故宮博物館」も当然周囲は中国語だったが根津美術館の館内の雰囲気はそのときを彷彿するようだった。
引用。⇒「2018年に約80年ぶりに再発見された「五馬図巻」(李公麟筆、北宋時代、東京国立博物館蔵)をはじめ、日本に伝存する北宋時代の書画の優品が集まる特別展「北宋書画精華」が
11月3日から12月3日まで根津美術館(東京・南青山)で開かれます。
この北宋の書画の神髄に迫る、日本で初めての展覧会に、アメリカのメトロポリタン美術館から「孝経図巻」(李公麟筆、北宋時代、元豊8年〈1085〉頃)と、
「畢世長像(睢陽五老図巻断簡)」(北宋時代、11~12 世紀)の北宋絵画の重要作品2件が特別出品されることになりました。
これにより、北宋を代表する李公麟(1049?~1106年) の2大傑作「孝経図巻」と「五馬図巻」が同じ空間に展示されることとなり、注目を集めそうです」。
五馬図巻(部分)
李公麟筆
- 重要美術品
- 中国・北宋時代
- 11世紀
- 東京国立博物館蔵
- 西域諸国から北宋に献じられた5頭の名馬を描いた作品。歴代の中国皇帝が「神品」として高く評価してきたが、清朝末期、20世紀初めに紫禁城を離れ、日本にわたった。1928年(昭和3年)、昭和天皇御大典祝賀記念として東京府美術館(現・東京都美術館)で開催された展覧会に出品、1933年には重要美術品に指定されたが、以降、表舞台から消えた。戦災で失われたとも言われたが、2018年に存在が確認され、翌2019年に東京国立博物館で開催された特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」で展示、話題を呼んだ。李公麟のイメージを覆すものであり、北宋絵画史の書き換えを迫るほどのインパクトをもたらした。
孝経図巻(部分)
李公麟筆- 中国・北宋時代
- 元豊8年(1085)頃
- メトロポリタン美術館蔵
- 中国の儒学で聖典とされる十三経のうちの一つである「孝経」の内容を章ごとに絵に描き、本文を書したもの。謹直かつ洗練された描線により、気品あふれる画面を作り出す。線を主としながら、山水や樹石には墨の濃淡や点描風の描写も認められ、水墨山水画が大成された北宋時代にふさわしい清新な白描画風を示している。必ずしも具体的ではない本文を、群像表現や風俗描写を含め魅力的な画面に表す構想力にも目を見張らされる。李公麟の書画の研鑽とともに、学識の高さもうかがわせる作品である。
231126根津美術館の庭園