東北3県 失業給付終えた65%が未就職 9月8日 16時41分 NHKwebニュース
東日本大震災からまもなく1年6か月となりますが、被害の大きかった東北3県では震災と原発事故で仕事を失い、
受け取っていた雇用保険の失業給付が終わっても仕事が見つかっていない人が65%に上ることが厚生労働省の調査で分かりました。
雇用保険の失業給付は、失業した人が再就職するまでの生活費を確保するため、失業する前の賃金の50%から80%程度を国が支払う制度で、
震災で大きな被害を受けた地域では、失業給付の期間が最大で210日間延長されています。
このうち岩手、宮城、福島の3つの県では、ことし6月末までに失業給付が終了した人は1万5243人いて、厚生労働省ではその後の再就職の状況を調べました。
その結果、
▽すでに就職した人は5355人と全体の35%だったのに対し
▽仕事が見つかっていない人は9888人に上り、65%が再就職できていないことが分かりました。
また、再就職ができていない人のうち30%にあたる2889人は就職活動をしていないということです。
東北3県の求人数は、復興需要で建設業や宿泊業などを中心にことし7月の時点で12万1000件余りと、震災前の去年2月と比べて1.8倍に増えています。
このためことし7月の有効求人倍率はいずれも1倍を超えていますが、正社員に限った有効求人倍率は、半数程度にとどまっています。 これについて厚生労働省は、
▽避難先で希望する正社員の仕事を見つけようとしてもなかなか見つからないケースや、
▽元の場所にいつ戻ることができるか見通しが立たず、元の職場の再開時期が分からないため再就職先を探せないケースが多いためではないかと分析しています。
震災直後から失業給付を受けている人は7月の時点で1万人余りに上りますが、今月ですべての人の給付が終了する予定です。
このため厚生労働省は、ハローワークでニーズにあった求人の確保や被災者の個別相談を行っているほか、
生活費を受けながら職業訓練が受けられる制度の活用などを呼びかけて再就職を支援したいとしていますが、
被災者が希望する仕事や正社員などの安定した雇用の確保が進んでおらず、復興に向けた大きな課題となっています。
.各県の状況は
厚生労働省によりますと、震災で大きな被害を受けた東北3県の求人数はことし7月の時点で12万1000件余りと、
震災前の去年2月と比べて1.8倍多くなっていて、仕事を求めている人1人に対し、企業から何人の求人があるかを示すことし7月の有効求人倍率は 、 ▽宮城が1.09倍、 ▽福島が1.03倍、 ▽岩手が1.01倍です。
有効求人倍率が1倍以上になるのは
▽宮城は4か月連続、 ▽福島は2か月連続、 ▽岩手は3か月連続ですが、
正社員に限った有効求人倍率は
▽宮城で0.57倍、 ▽福島で0.56倍、 ▽岩手で0.43倍 と、半数程度にとどまっています。
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