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1976年12月、インドネシアのジャカルタへ出張しました。
貿易部に配属されて、海外出張2回目にインドネシア、ジャカルタへ年末エライ人のお供で出張しました。
アルミのアサハンプロジェクトが立ち上がり、お客さんの会社がジャカルタオフィスを開いていたので、受注活動の一環で陣中見舞いの年末ご挨拶です。
エライさんは「お客さん達が正月を初めて家族でジャカルタで過ごすんだから、鮭の新巻をお土産に持ってくぞ」と言い、10本の新巻きを持って行くことになりました。
さあ、ガルーダ航空がジャカルタ空港に到着し通関です。同行のみんなは機内のお酒で、機嫌よくパスポートチエックの方に行き、通過していきます。
新巻の通関は一番下っ端のボクの仕事です。
カートに自分のトランクと新巻10本を乗せて後をついていったボクは係の役人からこっちへ来いと別室に連れ込まれました。
物凄い剣幕で「この大量の荷物は何んだ?」と言っているようです。
しどろもどろで「魚のサーモンのソールト漬・・なんじゃかんじやです」と説明しますが、こちらの英語もいい加減、向こうはハナから聴く耳もたずです。
時間は経っていくし、これをここで没収されたらエライ人から何を言われるかわからんと大汗かいて全身が熱くなりました。
しばらくすると相手の口はガタガタ言っているけど目はニヤニヤ笑っているのに気が付きました。
そうか話に聞いていたアンダーテーブル・袖の下や と米ドル10ドルを財布から出して渡すと
(早くそれを出したらいいんだよ)という感じでポケットに入れ、向こうのドアを開けてくれました。
それでも、出張の一行が心配そうな顔で出口で待っていてくれました。
「やっぱり引っかかったか」とエライ方が言いました。
「よう通してきたな」というお褒めの言葉を期待していたボクの甘さを思い知りましたが、
これから後の同じような経験の初めの始めでした。
役人の給料が安いのでこうして集めた金をプールしておいて年末なんかに仲間内で分けると後で聞きましたが、
その後各国でこのような事を何遍経験しても、その都度身体がフリーズして大汗かきまくりでした。
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