映像:入道崎に沈む夕陽(2008.5.10取材)
男鹿の温泉で温まった身体を冷やすには、入道崎の夕陽鑑賞が最適〈日本の夕陽百選)。日本海側は何処でも夕陽が綺麗だが特に男鹿半島の夕陽は潮騒、風の凪ぎ、波の動き、岩礁、島影が夕陽を魅きたてる。
『…岬は菅生の崎(八森町)をさして子(北)にあたり、丑寅(東北)に岩木山、卯辰(東南東)に森吉岳、巽(東南)に寒風山・赤神岳などが見える。夜が明けてゆく頃、それらが雲の中から姿を現わしてゆく景色はことにすばらしいであろう。』(菅江真澄遊覧記:男鹿の鈴風)
解説:男鹿半島の突端入道崎、遠く北に岩木山も見えるとは、この時代空気が清澄なことが窺える。なによりも面白いのは、夕陽の名所なのに明け方の景色を想像しているところだ。おそらく、菅江真澄は日中、夕陽は何回も見たが、明け方の景観を見てないのだろう。
映像:男鹿温泉郷、国民宿舎「男鹿」の湯船には地域の常連さんが憩っていた。
男鹿半島の観光拠点といえば男鹿温泉郷、その中の公共の宿が国民宿舎「男鹿」
二階大浴場は日帰り入浴も可能。ギラギラ陽光&潮風に晒された肌を潤すには
丁度いい。菅江真澄も北浦の湯本で入浴した。その様子は次のように記される。
『…湯本についた。この温泉の味はからくて緑礬の気がある。この夕べは村長
平賀のもとに宿った。・・・』 (菅江真澄遊覧記:男鹿の春風)より
【Data】食塩泉 56.5℃ PH6.4 源泉名:男鹿温泉
考察:菅江真澄は江戸時代の紀行家である。北日本の温泉について詳細な考察
をして、紀行文「菅江真澄遊覧記」にも各地の温泉が多数記されている。