映像:西八甲田蒼荷大滝の手前にある青荷温泉開祖湯守・歌人丹羽洋岳の石碑。
『水上の
櫛ケ峰早やも雪白み
とらへし岩魚さびて細りぬ』(丹羽洋岳)
解釈:青荷渓谷の瀧は水量も枯れ、深山に初雪が降る頃、生簀の岩魚は寂しくも
痩せて見える。歳の経つのは早いものだ。岩魚に己が身を重ね合わせ人生を詠む。
本県初の短歌グループ蘭菊会を結成した歌人丹羽洋岳。大正5年若山牧水が来県
し、板留の洋岳宅に半月余滞在し、洋岳は短歌を伝授されている。40代初に青荷
温泉に移り住み晩年まで歌を作り続けたとの事。ランプで有名な青荷温泉は温泉
を愛でる文人の里でもあり、本物の温泉地だ。今もなお愛湯家で温泉場は賑わう。
映像:青荷温泉館内にランプが灯る風情が心を落ち着かせる。
青森県西八甲田山系青荷渓谷にある一軒宿、夏は車で行けるが、冬は雪上車という隔絶の世界。そんな中、薄暗い館内にランプが灯る頃、都会からのお客様が訪れる。空気も水もランプ色に変わる。…そして闇になると川面にホタル火が舞う。…ここも夏色。