お湯の国 日本

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菅江真澄の道 鹿落とし(秋田県男鹿半島)

2008年08月22日 |  🚙東北縦断 紀行.

映像:鹿狩で追い詰めた鹿を木碑の先の断崖に落とした事から「鹿落とし」と呼ばれた。 

地名にはその発祥の云われからついているものが多い。地域学に縁る者は先ず、地名からその土地を考察する。しかし、昭和、平成の大合併策でこうした地域独特の「地名」が失われるケースが多い。ここ、男鹿半島の名前の由来はやはり『鹿』。中世、近世この近辺は鹿で溢れていた事が菅江真澄の書物で推察される。

山の陰から多くの鹿が笹原をかき鳴らして群がり去って行った。筍を食べていたのだろうか。この山にほかの獣はいないが鹿ばかりはたいそう多くすんで田畑のものを食いつくすというので、秋になると田ごとに縄綱を張り巡らすが女鹿は綱の目をくぐって稲を食うと、案内人は愁い顔で語った。それで牡鹿(男鹿)と地名がつけられたのであろうと思った。
〈菅江真澄遊覧紀:男鹿の春風)より

牡鹿が嘶く半島がやがて『男鹿半島』と呼ばれた事は容易に想像できる。小生、北海道霧多布岬で霧の中に野生鹿を見たときの感動が蘇る。参考⇒霧多布大鹿

参照#本文「鹿落とし」のような断崖絶壁にある塩浜温泉(男鹿半島)

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