お湯の国 日本

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湯の越温泉(秋田県五城目)

2008年08月25日 |  ♨ 東北 推奨湯処.

五城目の山の中、道路からそれた丘の上の一軒宿がある。秋田県北では珍しい白濁硫黄泉。ここもゆっくりと時間が流れていた。地元の方が多い、秋田弁が脳幹をゆする、それくらい静かな温泉場。五城目は菅江真澄の秋田県北紀行の基地的存在だった。当時は谷地中部落と呼ばれ市がたつ程の集落。その様子が彼の紀行から読み取れる。

『…きょうは餅あいの塩を買うならわしといって、人びとが五城の目の市に群れをなして行く。男鹿半島のあたりからも、人馬が八郎潟の氷をわたって来た。』(菅江真澄遊覧記:氷魚の村君)より

解説:1月12日の「塩」の市は五城の目の市がもっとも盛んで、近在から人々が集ったとの事。凍てついた八郎潟の湖面を馬でわたる様は暖冬の今では、想像もできない。単なる日誌が当時の男鹿地域の気象、風俗、自然を記している。

【Data】含食塩・重曹ー硫黄泉 45.7℃ pH 7.7  源泉松橋1号線 250ℓ/m

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