インフルエンザの予防接種も受けて注意はしていたのですが、3~4日前から風邪にかかったらしく、喉の痛みや体のだるさがあり元気がありません。さすがに、アルコール類は控えることにして、部屋を暖かくして早く寝ようとベッドに入ったのですが、寝付けないので、少し音楽を聴きたくなりました。昨夜はそんな気に全くならなかったので、今日はいくらか症状が改善しているに違いないと都合よく理解して、アルバムを聴きながらブログを書いています。アップしたら漢方薬の「葛根湯」飲んで寝ます。
ERROLL GARNER (エロール・ガーナー)
PLAYS MISTY (Mercury 1947~54年録音)
ピアニストのエロール・ガーナーにより1954年に作られた「Misty」(ミスティ)は、インストはもちろん、翌年ジョニー・バークによってつけられた詞による歌でもよしの名曲です。出だしの「ソミシー」から始まるメロディのよさ、サビ部分(AABAのB)の転調の感じや盛り上がりなど一度聴いたら忘れられません。出だしが「Ebb Tide」(引き潮)にそっくりだという指摘もありますが、たまたまでしょう。今夜は作曲者本人の録音を聴きました。
クリント・イーストウッドの初監督作品「恐怖のメロディ」(原題は「Play Misty For Me」)で、この曲が使われています。ラジオ局の人気DJに「ミスティ」を電話リクエストする女性が、彼と一夜をともにした後で、ストーカーに変身し事件を起こしていくというあらすじです。DVDを一度観ましたが、伏線が巧みで次第に恐怖感が高まるリアリティのある映画でした。音楽はガーナー本人の協力によるものです。
「ミスティ」は、1954年の録音ですが、その他は1947年後半から50年代前半にわたるセッションからで、ピアノソロの1曲を除きピアノトリオです。曲は、ガーナー作曲が2曲で「Misty」と「Frantenality」で、他に「Exactly Like You」、「You Are My Sunshine」、「What is This Thing Called Love」、「Again」、「Where or When」、「Love in Bloom」、「Through a Long and Sleepless NIght」、「That Old Feeling」の全10曲。
「Misty」の初演にあたるここでの演奏は、比較的ストレートなプレイでメロディの美しさを際立たせています。途中からアルペジオを用いて華やかさも演出していて、良質なムードミュージックという感じもします。早いテンポでスピード感が出ている「You Are My Sunshine」もよいですが、今夜は「Misty」、「Again」、「Through a Long and Sleepless Night」と、就寝前なのでファンタジックなバラード演奏を楽しみました。