安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ベン・ウェブスター KING OF THE TENORS

2010-12-26 18:47:05 | テナー・サックス

先週、北海道に用事があり札幌と室蘭に行ってきました。札幌は過去にも何回か訪れたことがあり、レコード店やジャズ喫茶巡りをしていました。今回は、それに加えて、ブログ「デューク・アドリブ帖」を主宰しているデュークさんとすすきのでお酒を酌み交わすことができました。好きなミュージシャンや最近のトピックなどジャズ談議ができて楽しいひと時を過ごしました。はじめて会ったのですが、昔からの知り合いという感じでお話ができて感謝です。彼は、熱烈なデューク・エリントンのファンです。

BEN WEBSTER (ベン・ウェブスター)
KING OF THE TENORS (Verve 1953年録音)

 Kingofthetenors

1940年代にデューク・エリントン楽団で鳴らしたベン・ウェブスター(ts)ですが、50年代に入ってもいい作品を残しています。「テナーの王様」と名付けられたこのアルバムでは、ミディアムテンポ以上ではうなりを伴った男性的な吹奏、一転してバラードでは慈愛に満ちたプレイです。50年代なので録音が優れ、テナーの音や息遣いが明瞭です。

ヴァーヴ・レーベルのスター奏者がベンの伴奏に回っています。メンバーは、ウェブスター(ts)、オスカー・ピーターソン(p)、バーニー・ケッセル(g)、レイ・ブラウン(b)、アルヴィン・ストーラー(ds)、ハリー・エディソン(tp)、ベニー・カーター(as)で、この編成で5曲、ドラマーがJ・C・ハードに代わり、ギターを加えたピアノカルテットの伴奏で3曲やっています。

遅いテンポでバラードが、「テンダリー」、「ザッツ・オール」、「ダニー・ボーイ」と3曲、ウェブスターのオリジナルが2曲で「ジャイヴ・アット・シックス」と「バウンス・ブルース」、エリントンの2曲「ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニー・モア」と「コットン・テイル」、そして「ペニーズ・フロム・ヘヴン」とLPでは8曲です。

「テンダリー」、「ザッツ・オール」、「ダニー・ボーイ」というテンポの遅い曲において、情緒を醸し出しながら、悠揚せまらぬプレイをベン・ウェブスターがしています。「テンダリー」は名演としてディスクガイドなどでよくとりあげられますが、僕は、「ザッツ・オール」も曲として好きなこともあり気に入っています。「コットン・テイル」はアップテンポで、唸りを上げて豪快に吹きぬけていくテナーに興奮します。スイングタイプですが、メロディ、サウンドが美しいので、どなたも楽しめるのではないでしょうか。

ホームページの散策に「札幌でレコード店、ジャズ喫茶めぐり」を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう 札幌でレコード店、ジャズ喫茶めぐり