飯田市と安曇野市又は長野市との間で、中央高速自動車道を一週間に一回くらいは往復で通行しているのですが、この連休に初めて駒ヶ根インターチェンジで降りて、名刹「光前寺」(長野県駒ケ根市赤穂)に寄ってみました。境内は、杉の大木に囲まれ、また苔類もあって、自然が豊かです。中央アルプスをはじめとしたあたりの眺望もよく、いい休憩になりました。元気を回復したところで、ハードバップを。
KENNY DORHAM (ケニー・ドーハム)
INTA SOMETHIN' (Pacific Jazz 1961年録音)
最近、ヴォーカルを中心として比較的新しい録音も聴いていますが、ゴールデンウィークに珈琲でも飲みながら寛いで聴きたいとなると、まずハードバップの諸作を手に取ります。中でも、ケニー・ドーハム(tp)とジャッキー・マクリーン(as)の双頭コンボによる3作品は、適度な激しさや甘さ、そして哀愁もあって、真っ先くらいに挙げたくなるものです。以前、マタドールを取り上げたので、今回はこのコンボの第1作のライブ盤にしてみました。
メンバーは、ドーハム(tp)、マクリーン(as)、ウォルター・デイビス(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、アート・テイラー(ds)。サンフランシスコのジャズ・ワークショップでのライブ録音です。ドーハムは、バラード演奏が優れているせいなのか、時にいぶし銀などと言われることもありますが、ブルーノートの諸作などを聴くと、元気のいい吹奏もあり、ここでも、はつらつとしたプレイが聴けます。
曲は、ドーハム作が2曲で、「Us」(ブルーノート盤では、「Una Mas」と改称されました)と「San Francisco Beat」、あとはスタンダードで、「It Could Happen To You」、「Let's Face The Music and Dance」、「No Two People」、「Lover Man」。フランク・レッサー作「No Two People」は、演奏されるのが珍しいです。ドーハムのオリジナル「Una Mas」の初演が聴けますが、もう一つのオリジナル「San Francisco Beat」も佳曲です。
ライブということもありラフなところもありますが、二人の颯爽とした演奏が楽しめます。マクリーン(as)は、甘美なトーンばかりでなく、時にダーティーな音もまぜながら力強いプレイをしています。「Us」、「It Could Happen to You」、「Let's Face The Music and Dance」(管はマクリーンだけ)、「San Francisco Beat」と足踏みしたくなるようなスイング感たっぷりの演奏が続きます。今回気付いたのは、ウォルター・デイビスのピアノの良さで、各曲におけるソロの他、「San Francisco Beat」においてリズミカルな伴奏(コンピング)を付けています。
【光前寺】
光前寺ホームページ:http://www.kozenji.or.jp/