群馬県前橋市にあるジャズ喫茶「木馬」に行ってきました。群馬大学病院近くの住宅街にある同店は、普通の住宅という外観でしたが、店内は天井が高く開放的で、音楽を聴くのに相応しい空間でした。マスターが、ジョン・コルトレーンの「BLUE TRAIN」(Blue Note)やハンク・モブレイの10インチ盤「HANK MOBLEY QUARTET」(Blue Note)などをかけてくれましたが、オリジナル盤レコードとアルテックA7で聴く50年代ジャズはエネルギーに満ちて迫力がありました。帰宅後、ハンク・モブレイのLP(king盤)を聴いてみました。
HANK MOBLEY (ハンク・モブレイ)
WORKOUT (Blue Note 1961年録音)
「木馬」では、他にも、コンテ・カンドリの「Sincerly Conte」(Bethlehem)や、ハーブ・エリスの「Nothin' But The Blues」(Verve)などをかけてもらいました。エリスのギターが、密度が濃く、艶やかな音で再生されたのにもびっくりしました。帰りに、車を運転しながら、帰宅したら何を聴こうかと考えていましたが、久しぶりにハンク・モブレイにしようと決めました。何を聴こうかとあれこれ思いを巡らせているときは楽しいものです。
「Soul Station」、「Workout」、「Poppin'」(いづれもブルーノート・レーベル)とモブレイの有名アルバムを聴きましたが、「Workout」をブログに書くことにします。メンバーは、ハンク・モブレイ(ts)、グラント・グリーン(g)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。グリーンを除けば、マイルス・デイビス・グループのメンバーで、この4人によるセッションは、「Another Workout」として1985年に陽の目をみました。
ハンク・モブレイが作曲の才を示した4曲と、スタンダードが1曲です。モブレイ作が、「Work Out」、「Uh Huh」、「Smokin'」、「Greasin' Easy」。スタンダードは、「The Best Things in Life Are Free」。モブレイの自作タイトルは、いかにもハードバップのその時代という趣きで、聴く前からわくわくします。「Smokin'」や「Greasin' Easy」あたりは、生活感覚が出たブルースかもしれないと、なんとなく推測もできて、曲名がわかりやすくて楽しい。
モブレイのアルバム中には、ミディアム・テンポくらいでプレイされるスタンダード曲が収録されていますが、僕はこれが大好きで、歌ものが元々好きなことに加えて、モブレイの中庸を行くテナーでテーマ、アドリブとくると、それだけで幸せな気分になります。ここでは、「The Best Things in Life Are Free」がそれに当たります。そして、他の4曲はファンキーなナンバーで、グラント・グリーン(g)が意外とクールなソロをとっている「Smokin'」、「Greasin' Easy」をはじめどの曲も充実。
【ジャズ喫茶 木馬】
所在地:群馬県前橋市下小出町2-1-12
電話:027-231-6520
紹介ホームページ:ジャズ喫茶 木馬 (ぐんラボ)