東御市の海野宿(うんのじゅく)に先日初めて行ってきました。寛永2年(1625年)に北国街道の宿駅として開設され、享和3年(1803年)の記録によれば、伝馬屋敷59軒、旅籠屋23軒があって、たいへん賑わったそうです。江戸時代の旅籠屋作りの建物や、養蚕最盛期に建てられた蚕室造りの建物が街道沿いに並んでいて、歩いていたら、江戸~明治時代にタイムスリップしたような気分になりました。ハードバップのその時代にタイムスリップできるアルバム。
CURTIS FULLER (カーティス・フラー)
TWO BONES (BLUE NOTE 1958年録音)
いささか旧聞に属しますが、今年の4月に、ブルーノート・マスター・ワークス「世紀の発掘コレクション」として、30タイトルのCDが発売になりました。録音時には発表されなかったものばかりですが、その中の10タイトルは、マイケル・カスクーナの発掘により、1979~80年に日本のKingレコードから初めて発売されています。僕はそのLPを数枚持っていますが、これは持っておらず、聴きたかったものなので、今回のCD化はありがたいです。
メンバーは、カーティス・フラー(tb)、スライド・ハンプトン(tb)、ソニー・クラーク(p)、ジョージ・タッカー(b)、アル・ヘアウッド(ds)。トロンボーンが2本ですが、フラーの相方が、スライド・ハンプトンなのにはびっくりしました。二人が正面切って共演しているのは、これだけのようです。ピアノはソニー・クラークで、聴く前からワクワクします。
曲は全てオリジナルです。フラー作が、「Fuss Budget」、「Oatmeal Cookie」、「Da-Baby」、「Pajama Tops」、「Loquacious Lady」、「Mean Jean」の6曲に、ハンプトン作「Slide's Ride」の合わせて7曲。全て参加ミュージシャンのオリジナル曲という思い切った選曲ですが、どこかしら聴いたことがあるメロディも出てきます。
2本のトロンボーンの柔らかく丸みを帯びたアンサンブルやソロ、タッカーの重量級ベース、クラークの哀愁ピアノと、聴きどころが多い作品。「Fuss Budget」は、2本のトロンボーンの掛け合いで始まるマイナー調の佳曲。フラー(tb)やクラーク(p)も快調で一番よかった。「Da-Baby」は、タッカー(b)の粘りのあるソロが入るブルージーな演奏。唯一のハンプトンの自作「Slide's Ride」は、アップテンポで、うなりを伴うテーマ部をはじめハンプトン(tb)の豪快なプレイが印象的。
【海野宿】
所在地:長野県東御市本海野
紹介ホームページ:東御市ホームページ 海野宿
続く家並みに、柳や水路があったりして、宿場町の面影を残しています。
「重要伝統的建造物群保存地区」と「日本の道百選」が刻まれている道標。