この正月2日に飯田市の風越山へ登りましたが、その帰りに、高森町のリデル・コーヒー・ハウスによりました。店内には漫画が置いてあり、お客様が熱心に読んでいました。大きな声の会話がない静かな店内で、ジャズが聴ける環境はそのままでした。ベニー・グリーン(tb)とシェリー・マン(ds)のアルバムがかかりましたが、装置がいいので、かなりいい演奏に聴こえました。シェリー・マンのものは、サンフランシスコのジャズクラブ「Blackhawk」におけるライブだったので、自宅でも同店で録音されたアルバムを聴いてみました。
CAL TJADER (カル・ジェイダー)
JAZZ AT THE BLAKHAWK (Fantasy 1957年録音)
「Blackhawk」は、1949~63年にかけて営業を行ったサンフランシスコのナイトクラブで、周辺のミュージシャンばかりでなく、全米のミュージシャンンが出演した西海岸を代表するジャズスポットでした。ライブアルバムも多く、デイブ・ブルーベック、カル・ジェイダー、シェリー・マン、セロニアス・モンク、マイルス・デイヴィスなどが録音を残しています。
約60年前の1957年1月20日に、カル・ジェイダー(vib)がレギュラーグループを率いて出演した際の録音です。メンバーは、カル・ジェイダー(vib)、ヴィンス・ガラルディ(p)、ジーン・ライト(b)、アル・トーレ(ds)。編成は、モダン・ジャズ・カルテットと同じで、そのMJQへ捧げた曲・演奏もあるなど、ラテン系も演奏するジェイダーですが、ここではモダン・ジャズをやっています。
曲はメンバーのオリジナルとスタンダードです。カル・ジェイダー作「Bill B.」、彼の奥さんのパット・ジェイダー作「Land's End」、ガラルディ作「Thinking of You, MJQ」、ジーン・ライト作「Two For Blues」、あとはスタンダードで、「I'll Remember April」(四月の想い出)、「Blues in The Night」(夜のブルース)、「I've Never Been In Love Before」(まだ恋したことはない)、「When The Sun Comes Out」、「Lover Come Back to Me」(恋人よ我に帰れ)の9曲。「Bill B.」は、カウント・ベイシーに、「Thinking of You, MJQ」はMJQへそれぞれ捧げた曲です。
リラックスタイムにピッタリのお洒落で軽妙な雰囲気のアルバム。カル・ジェイダー(vib)のスイングして、ブルージーさもほどよく感じられる演奏は、ガラルディ(p)とともに明るくて西海岸ジャズらしく感じます。ジェイダー、ガラルディが、ためを作ってソロをとる「Bill B.」、ガラルディがジョン・ルイス風ピアノを弾く「Thinking of You, MJQ」、アップテンポの「I'll Remember April」、ロマンチックな「I've Never Been In Love Before」や「When The Sun Comes Out」と、眼前で行われているプレイを聴いているような気分になりました。
【Liddell Coffee House(リデル・コーヒー・ハウス)】
住所:長野県下伊那郡高森町牛牧2863-8
電話:0265-35-4141
営業:12:03~21:03 (オーダーストップ20:00)
休日:不定休
拙ブログ(ジャズ喫茶のカテゴリー)の記事:Liddell Coffee House
後方にも車が停まっていて、賑わっていました。
ズート・シムズ・ファンクラブの案内が貼ってありました。
5~6人ほどいて、熱心に漫画を読んでいる方が多かったです。あまりジャズを聴いているようには見えませんでしたが、静かでよい雰囲気でした。
お店で使っているカップなど器は凝っているものが多いようです。
シェリー・マンのブラックホークのライブアルバム。こちらのお店はCDをかけています。