1月9日(月、祝)に、ウィーン・リング・アンサンブルのコンサートが長野市で開催されたので行ってきました。ウィーン・フィルの元・現団員からなる9人のグループで、毎年この時期に来日しています。長野へ来るのは初めてだと思いますし、僕は聴いたことがないので、早くから予定をしていました。曲目は、シュトラウスファミリーのワルツなどウィーンの音楽です。
(メンバー)
ライナー・キュッヒル (ヴァイオリン)
ダニエル・フロシャウアー (ヴァイオリン)
ハインリヒ・コル (ヴィオラ)
ロベルト・ナジ (チェロ)
ミヒャエル・ブラデラー (コントラバス)
カール=ハインツ・シュッツ (フルート)
ペーター・シュミードル (クラリネット)
ヨハン・ヒントラー (クラリネット)
ヴォルフガング・トムベック (ホルン)
(曲目)
スッペ : オペレッタ「ウィーンの朝・昼・晩」序曲
ツィーラー : ワルツ「心地よい夜に」
ヨーゼフ・シュトラウス : ポルカ・シュネル「休暇旅行で」
J. シュトラウス2世 : ワルツ「南国のばら」
J. シュトラウス2世 : ポルカ・シュネル「狩り」
ツィーラー : ポルカ「ランデヴー」
J. シュトラウス2世 : ポルカ・シュネル「雷鳴と電光」
シューベルト・メドレー
J. シュトラウス2世 : 皇帝円舞曲
ヘルメスベルガー : 妖精の踊り
ランナー : ワルツ「人生の電鈴」
J. シュトラウス2世 : ポルカ・シュネル「浮気心」
ヨーゼフ・シュトラウス : ワルツ「ディナミーデン」
ヨーゼフ・シュトラウス : 鍛冶屋のポルカ
(アンコール)
J. シュトラウス1世 : 中国人のギャロップ
J. シュトラウス2世 : 美しき青きドナウ
J. シュトラウス2世 : ラデッキー行進曲
美音による流麗なアンサンブルで、次々に演奏される音楽に酔わされた至福のひと時でした。ソロで演奏する場面が多いライナー・キュッヒル(vn)やロベルト・ナジ(vc)を聴いていると、本物のウィーン・フィルのアンサンブルを聴きたくなってきます。管楽器も名手ぞろいですが、シュルツの吹くフルートは、日本のオーケストラで耳にするフルートの音と比べると、柔らかな響きで異次元といっていい気がしました。
この団体の最大の特徴は、トムベックのウィンナ・ホルンが入っていることでしょう。「美しき青きドナウ」など、ホルンが入っていてこそのメロディ、響きです。曲目は、ワルツばかりでなくテンポの速いものも多く、飽きないように工夫されていました。今回の来日で初めてシューベルト・メドレーが披露されたようですが、未完成交響曲をはじめ、胸を打つメロディが出てきて印象的でした。
新春にふさわしい素晴らしいコンサートでした。欲を言えば、これだけのメンバーですから、モーツァルトやブラームスなどの室内楽や器楽曲を聴いてみたいと贅沢なことを考えながら帰途に着きました。帰宅したあと、メンバーの一人であるハインリヒ・コル(ヴィオラ)のCDを聴いてみました。
フィルハーモニカ―の至芸 ハインリヒ・コル(ヴィオラ)
ヒンデミットの「ヴィオラ・ソナタ」やシューマンの「おとぎ話」などが収録されています。