近所のツタヤへ行ったら、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「LA NOTTE」(夜)があったので借りてきました。ジャンヌ・モロー、モニカ・ヴィッティが出演したイタリア映画で、同監督の「愛の不条理三部作」の一つだけにやや意味がとりにくいものでした。音楽はジョルジオ・ガスリーニ(伊のピアニスト)が担当していて、けだるいムードがよく出ています。ガスリーニのものは持っていないので、名前の似ているジョルジオ・アゾリーニ(伊のベーシスト)の作品を聴いてみます。
GIORGIO AZZOLINI (ジョルジオ・アゾリーニ)
TRIBUTE TO SOMEONE (Ciao Ragassi 1964年録音)
このアルバムは、1999年に再発盤LPで購入しました。購入の際レコード店でジャケット記載のパーソネルをみて、すぐレジに持っていったのを覚えています。アゾリーニは、ハードバップから出発していますが、ここでは選曲、ミュージシャンの人選とも、あたかもブルーノート・レーベルにおける新主流派路線です。
メンバーは、フランコ・アンブロゼッティ(tp)、ガトー・バルビエリ(ts)、Dino piana(tb)、Pocho Gatti(p)、レナート・セラーニ(p)、アゾリーニ(b)、Lionello Bionda(ds)で、国際色豊かです。
アゾリーニがすべての曲の編曲を手掛けています。曲は、「Tribute to Someone」(ハービー・ハンコック)、「So What」(マイルス・デイビス)、「Too Blue」(ヴィクター・フェルドマン)、「Sometime Ago」(Sergio Mihanovic)、「The Stroller」(べニー・ゴルソン)、「Hiroshima」(ガトー・バルビエリ)という6曲です。作曲者名も入れてみました。
「Tribute to Someone」は、アンブロゼッティとバルビエリのソロがきけます。バルビエリのプレイはモーダルで、新鮮です。「So What」は、ピアノ・トリオ演奏で、レナート・セラーニのやや刺激的なタッチがたいへん曲想にあっています。名前だけは聞いたことがありますが、レナート・セラーニにはたいへん感心しました。
DVDを借りたのは、女優のモニカ・ヴィッティがお目当てでしたが、ジャンヌ・モローの印象が強く残っていて存在感がありました。ヨーロッパの映画は、レンタル店にさほど置かれていないので、このDVDを観れたのはラッキーでした。
小生にとってはやはり「Tribute to Someone」がひときわ美しく印象に残ります。
ジャンヌはよいですね。凛としていて媚びない。自然体で爽やかな風のようです。
『ジャンヌ・シャント・ジャンヌ』も、お聴きになっていらっしゃるんでしょうね。
たどたどしい歌い方ですが、彼女の懸命さ(と賢明さ)が滲みでてジーンときます。
その透き通るような美貌も相俟って、マイルスが惚れたのも無理からぬところです。
袖にされちゃいましたが(笑)。権力志向はタイプじゃなかったんでしょうね、きっと。
SCHEMAはまたぞろ活動活発化しそうな気配です。サヒブ・シハブの傑作盤など
何枚もリリースを予定しており小生も予約を入れました。貴殿もいかがですか(笑)
ジャンヌ・モローは、美しいというだけでなく不思議な魅力があります。最近はアメリカ映画ばかりで、ヨーロッパのものがあまりふるいません。
それに比べて、ジャズの方はヨーロッパものがリリースされ、再発も活発に行われていて、ジャズファンには楽しみが広がりました。サヒブ・シハブも期待できそうですね。