安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ウォルター・ビショップ・ジュニア ODE TO PARKER

2013-12-11 22:50:48 | ピアノ

この前の日曜日、冬用タイヤへの交換などのため、長野市の自宅に行ってきました。ついでに、久しぶりに、中古レコード店のGOODTIMESに寄りました。レコード、CDともジャズの在庫がまずまずあったので、旧知の店員さんに様子を聞いたら、新たに持ち込んでくれる方が何人かいるとのことでした。最近、名古屋市内のお店に行くことが多いのですが、県内のお店にもたまには顔を出したほうがよさそうです。そのGOODTIMESで買ったCD。

WALTER BISHOP JR. (ウォルター・ビショップ・ジュニア)
ODE TO BIRD (INTERPLAY 1989年録音)

   Odetobirdwalterbishop

ウォルター・ビショップ・ジュニア(p)は、「SPEAK LOW」(JAZZ TIME)という決定的なリーダー作品が知られていて、僕もそれはLPで持っています。チャーリー・パーカー(as)との共演など活動歴は長く、1960年代に録音されたリーダー作を聴いている人は多いと思いますが、70年代や80年代以降のものはあまり知られていないかもしれません。

これは、パーカーへのトリビュート作で、ビショップが希望した企画を実現したものだそうです。メンバーは、当時のレギュラー・トリオで、ウォルター・ビショップ・ジュニア(p)、ポール・ブラウン(b)、ウォルタ・ボルデン(ds)。ベースのソロなども入りますが、基本的には、ビショップのプレイを中心としたピアノ・トリオです。

曲は、パーカーの愛奏曲で、オリジナル1曲とスタンダード6曲です。「Au Prevave」、「Laura」(ローラ)、「Easy to Love」、「Star Eyes」、「This Time Dreams on Me」、「The Song is You」(歌こそは君)、「All The Things You Are」の7曲。すべておなじみのものばかりです。

最初の急速調の「Au Prevave」では、指が回っていないのかテーマが簡略だったり、フォスターの「草競馬」の引用を唐突に行ったりと、今一つですが、次第に調子が上がっていきます。実際の演奏順とは異なるとは思いますが、「Star Eyes」、「This Times Dreams On Me」、そして「The Song is You」あたりで盛り上がっています。ドラムスがいささかうるさい点はありますが、ビショップが健闘しており、こういうバップ演奏は、聴いていると落ち着きます。

【中古レコード GOODTIMES】

住所:長野市南千歳町880
電話:026-227-5040
ホームページ:GOODTIMESホームページ お店のブログ:GOODTIMESブログ

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ジェームス・クレイ A DOUBLE DOSE OF SOUL

2013-12-08 09:17:38 | テナー・サックス

職場の同僚が、自宅の庭の木になったといって、カリンを持ってきてくれました。黄色で大きな実は観賞用にもいいので、バスケットに入れて飾ってみました。カリンは、堅いので薄く切って砂糖漬けにしますが、小さい頃、母がつくってくれたもの(実際にはマルメロかもしれません。)を食べるのが楽しみでした。堅くてハードなイメージのミュージシャンですが、どうでしょうか。

JAMES CLAY (ジェームス・クレイ)
A DOUBLE DOSE OF SOUL (Riverside 1960年録音)

   Adoubledoseofsouljamesclay

ジェームス・クレイ(ts、fl)は、1935年ダラスの生まれなので、いわゆるテキサス・テナーでハードにブロウするイメージがありますが、実際には、中庸をいくミュージシャンといってもいいかと思います。西海岸での活動やレイ・チャールズのバックバンドに長らく入っていた経歴がありますが、リーダー作は多くありません。これはその貴重な一枚です。

キャノンボール・アダレイの推薦によって、リバーサイドが制作したもので、当時の彼のグループのメンバーも録音に参加しています。メンバーは、ジェームス・クレイ(ts, fl)、ナット・アダレイ(cor)、ビクター・フェルドマン(vib)、ジーン・ハリス(p)、サム・ジョーンズ(b)、ルイ・ヘイス(ds)。ジーン・ハリスのリバーサイド録音は、多分これくらいだと思いますが、ソウルフルでリズミックなプレイで、この作品の成功に寄与しています。

曲は、メンバー等のオリジナルとスタンダードです。ヴィクター・フェルドマン作「New Delhi」と「Pavanne」、ナット・アダレイ作「Pockets」、ダニエル・ジャクソン作「Linda Serene」と「Lost Tears」、スタンダードの「I Remember You」、「Come Rain or Come Shine」(降っても晴れても)の7曲で、CDには「New Delhi」と「Come Rain or Come Shine」の別テイクが収録されています。フェルドマンの書いた「New Delhi」(ニューデリー)にはエキゾティックなところがあります。

ジェームス・クレイ(fl, ts)に加え、ジーン・ハリス(p)ら共演陣も好調で、なかなかよいアルバムです。哀愁の感じられる曲想の「New Delhi」では、クレイはフルートで緊張感が漲る演奏を行っています。フェルドマン(vib)も硬質なソロをとっていて、サスペンス映画のバックグラウンドにもよさそうです。同じくフルートを吹く「I Remember You」では、一転して明るいスインガーで、サム・ジョーンズ(b)のランニングベースも心地よい。「Come Rain or Come Shine」では、クレイは黒っぽいテナーを吹いていて、迫力充分の「降っても晴れても」になっています。

【カリン】

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ローズマリー・クルーニー A TOUCH OF TABASCO

2013-12-04 22:33:47 | ヴォーカル(L~R)

先日、下伊那郡松川町にある「Fruits &Forest ゆざわ」という観光農園によって、リンゴを買ってきました。農園のリンゴの木には、びっしりとリンゴの実がなっていて、それこそ鈴生りという言葉が相応しい光景にびっくりしました。リンゴの種類はフジでしたが、果実自体も大きく、試食させてもらったら、しゃきっとした甘さで、デザートに最適な美味しさでした。フルーツつながりで「メロンの心」を聴いてみます。

ROSEMARY CLOONEY (ローズマリー・クルーニー)
A TOUCH OF TABASCO (RCA 1959年録音)

   Atouchoftabasco

「Corazon De Melon」(メロンの心)は、キューバのカルロス・リグアル作のラテン・ナンバーです。メロン・、メロンと繰り返す調子のいい歌ですが、英語詞も加えて、ローズマリー・クルーニーが録音し、ヒットしました。日本ではグローリア・ラッソのものを元に森山加代子が「メロンの気持ち」として1960年に録音しヒット。後には、ゴールデン・ハーフもカバーしました。クルーニーは、マンボで歌っていてたいへん魅力的です。

ラテン・バンドが伴奏に回ったアルバムというと、ティト・プエント楽団やザビア・クガート楽団がバックのアビ・レーンの「Be Mine Tonight」(RCA)や「ABBE LANE」(Mercury)がすぐに思いつきますが、今回取り上げたのは、マンボの王様ぺレス・プラード楽団がバックになったローズマリー・クルーニー(vo)のラテン調のアルバムです。

曲は、ラテンものとスタンダードです。「Corazon De Melon」(メロンの心)、「Like A Woman」、「I Only Have Eyes For You」(瞳はあなたゆえに)、「Magic Is The Moonlight」、「In A Little Spanish Town」(小さなスペインの町で)、「Sway(Quien Sera)」(キエン・セラ)、「Mack The Knife」、「Bali Ha'i」(バリ・ハイ)、「You Do Something to Me」、「Cu-Cu-Ru-Cu-Cu Paloma」(ク・ク・ル・ク・ク・パローマ)、「I Got Plenty O' Nuttin'」(くたびれもうけ)、「Adios」の12曲。オールディーズ、ポピュラーファンにおなじみの曲がほとんどです。

ぺレス・プラード楽団の打楽器と管楽器によるメリハリをつけたダイナミックな伴奏にのって、乗りがよくて、勢いのあるローズマリー・クルーニーの歌が聴けます。メロン、メロンというリフレインが楽しい「Corazon De Melon」、ちょっとグルーヴィーな曲調の「In A Little Spanish Town」、そして情熱的に迫る「Quien Sera」(キエン・セラ)、クルーニーの声が良く伸びていて気持ちのいい「Cu-Cu-Ru-Cu-Cu Paloma」と、ロージーとプラード楽団のコラボはとっても気に入っています。

【Fruits&Forestゆざわ】
リンゴの他に、梨、ブルーベリーを栽培しています。ジュースなどの加工品もあります。
住所:長野県下伊那郡松川町大島3515
電話:0265-36-3204
ホームページ:フルーツ アンド フォレストゆざわ

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     「鈴生り」というのはこういうのを指して言うのでしょう。

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ベン・ウェブスター THE WARM MOODS

2013-12-01 10:26:06 | テナー・サックス

長野県の飯田下伊那地方には、ワイナリーは一つしかありませんが、松川町方面に行く機会があったので、その唯一の「信州まし野ワイナリー」を訪れてみました。お店では、お薦めの飲みやすいワインと、果汁100パーセントのスパークリングりんごジュースを買い求めました。それぞれ小ロット生産で、量はそう多くはないようですが、丁寧に作っているとのことで、ワイン、ジュースともにいい味でした。ベテランの熟成された演奏。

BEN WEBSTER (ベン・ウェブスター)
THE WARM MOODS (reprise 1961年録音)

   Thewarmmoods

買ってきたワインを飲みながら、たまには優雅でムーディーなものを聴こうと、ベン・ウェブスター(ts)のストリング付きのアルバムを取り出しました。内容もさることながら、彼の顔を大きくとらえたジャケットがユニークです。この手のアルバムは、弦楽器部分の編曲が大事になると思いますが、ここではジョニー・リチャーズがそれに当たっています。

メンバーですが、ベン・ウェブスター(ts)、ジーン・ディノヴィ(p、チェレスタ)、又は、ドン・トレナー(p、チェレスタ)、ドン・バグリー(b)、フランク・キャップ(ds)、そこに弦楽四重奏団が加わります。弦といっても、カルテットなので、大編成ではありません。近年はマシュマロ・レーベルからアルバムを出しているジーン・ディノヴィが加わっているのが目をひきますが、譜面に強いので起用されたのでしょうか。

曲は、スタンダードが主です。「The Sweetheart of sigma chi」、「Stella by Starlight」(星影のステラ)、「With Every Breath I Take」、「Accent on Youth」、「But Beautiful」、「Time After Time」、「Nancy」、「I'm Beginning to See The Light」(灯りが見えた)、「The Whiffenpoof Song」、「It's Easy To Remember」、「There's No You」の12曲。それぞれ3分前後の収録時間で、ポピュラーな線を狙ったものだと思いますが、聴き流すにはもったいない内容です。

ベン・ウェブスター(ts)は、透明感を伴った音色で、優しげで暖かく吹いています。テンポもスローからミディアムで、じっくりとテナーの音を追いかけられます。中でも、「Stella By Starlight」、「But Beautiful」、「Time After Time」あたりが、テーマの美しい吹奏に加え、サブトーンを交えた表情豊かなソロが聴けてよかった。「The Whiffenpoof Song」は、全く知らなかった曲ですが、流麗なベンの演奏が素晴らしい。全体にわたり格調の高さも感じられます。

【信州まし野ワイン株式会社】

住所:長野県下伊那郡松川町大島3272
ホームページ:信州まし野ワイン株式会社

ぶどうのワインの他、りんごのワインや、山ブドウやブルーベリーのジュースなど、バラエティに富んだ商品があります。

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      駐車場から南アルプス方面の景色です。絶景でした。

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     購入したワイン(右側 1200円)と果汁100%スパークリングジュース(左側 480円)。