安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

テテ・モントリュー PIANO FOR NURIA

2014-07-13 09:24:35 | ピアノ・トリオ

お昼休みに長野県庁の一階ロビーに行ったら、カーネーションが展示してありました。長野県のカーネーションの生産量は全国一で、92ヘクタール、5520万鉢(H25農林水産統計)が出荷されたとのことです。6月から10月にかけて出荷されているようですが、これほど多く生産されているとは知りませんでした。カーネーションは、赤色のものが母の日に多く用いられますが、展示されていた花束や寄せ植えは、花色が豊富で、かなり鮮やかでした。カラフルで鮮やかさのあるピアノを。

TETE MONTOLIU (テテ・モントリュー)
PIANO FOR NURIA (MPS 1968年録音)

   Pianofornuria

カーネーションを国花にしているのは、スペイン、モナコ公国、ホンジョラスだそうです。その思いつきもあって、スペイン出身のピアニストのテテ・モントリューを聴いてみました。多数のアルバムがあるモントリューですが、これは選曲、メンバーともによく、代表作の一つではないでしょうか。ただ、ピアノそのものの音が少しどうかという部分もありますが、気にするほどではないかもしれません。

メンバーは、テテ・モントリュー(p)、ペーター・トルンク(b)、アル・ヒース(ds)。モントリューは、ヴァーチュオーゾ型のテクニックに優れたピアニストですが、スイング系統ではなくモダンな色合いが強いです。トルンクは、ドイツ出身ですが、モントリューとコンビを組んでいて、ここでは「Tranquillogy」という詩的な曲も提供しています。

選曲は、メンバーの自作とスタンダードです。モントリュー作「Blues For Nuria」、トルンク作「Tranquillogy」と「Visca L'ampurda」、スタンダードの「Alone Together」、「Speak Low」、「I Surrender, Dear」、そして、ジャズ・スタンダードといっていいベニー・ゴルソン作「Stablemates」の全7曲。「Stablemates」は、メロディ、ハーモニーともに大好きな曲だけに、これを選んで録音してくれただけで、ポイントが高くなります。

はじめの「Blues For Nuria」は、不協和音気味の音があったり、リズムもスムーズではないところがあり、モンクあたりを連想させますが、全体のアクセントになっています。スタンダードでは、モントリュー(p)は、メロディをしっかりと弾き、ダイナミックでスピード感溢れるプレイをしていて、「Alone Together」や「Speak Low」が生き生きと演奏されています。「Stablemates」は、強弱をつけたテーマ部がロマンチックで、長いラインのキラキラしたアドリブもよくて、繰り返し聴きたくなります。

【信州のカーネーション】

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ブルー・ミッチェル BLUE SOUL

2014-07-09 22:19:11 | トランペット・トロンボーン

長野駅周辺をぶらぶらしていたら、独身時代の平日ほぼ毎日通っていた喫茶店「ブルーリボン」に出くわしました。当時とは場所が移転し建物も変わりましたが、経営は同じで、入り口には35周年(Since1976)のプレートが掲げられていました。個人経営のお店はたいへんだと思いますが、僕がいつも注文していたモーニングサービスも継続され、店内にはコミック、新聞、週刊誌が置いてあり、来店客へのサービスがよいせいか、繁盛しているようです。名前、タイトルともにブルーが付きます。

BLUE MITCHELL (ブルー・ミッチェル)
BLUE SOUL (RIVERSIDE 1959年録音)

   Blue_soul

ブルー・ミッチェル(tp)は、好きなトランペッターなので、自分のホームページにまとめたことがありました。実は、とりあげようと聴いてみたのは、今年CDで発売された「Bring It  Home To Me」(Blue Note)なんですが、気が変わりハードバップど真ん中にしようと、久しぶりに本LP(日本盤です)を取り出しました。そのBlue Note盤は、またの機会に書くつもりです。

リヴァーサイドオールスターズとでもいうべきメンバーです。カルテット編成の3曲は、ブルー・ミッチェル(tp)、ウイントン・ケリー(p)、サム・ジョーンズ(b)、フィリー・リー・ジョーンズ(ds)。そこに、セクステットの6曲では、カーティス・フラー(tb)とジミー・ヒース(ts)が加わります。編曲では、ベニー・ゴルソンが3曲を手がけ、ジミー・ヒースも2曲を行うなど、サポート体制が万全です。

曲は、カルテット編成のものが、スタンダードの「The Way You Look Tonight」(今宵の君は)、ゴルソン作「Park Avenue Petite」、ミッチェルの自作「Blue Soul」の3曲。セクステット編成のものが、ゴルソン作「Minor Vamp」、ミッチェルの自作「The Head」、ジミー・ヒース作「Top Shelf」と「Waverley Street」、スタンダードの「Polka Dots and Moonbeams」(水玉もようとお月さま)、ホレス・シルヴァー作「Nica's Dream」(ニカの夢)の6曲で全9曲。

ブルー・ミッチェル(tp)のワンホーンによる演奏が3曲で聴けるのが貴重ですが、他も輝かしい音色によるブルージーなプレイで、ハードバップファンの心を捉えて離さない作品。「The Way You Look Tonight」は、フィリー・ジョーのドラムスからスタートし、早いテンポの演奏ですが、ミッチェル、ケリー(p)と爽快なプレイをしてくれます。バラードの「Park Avenue Petite」や「Polka Dots And Moonbeams」は、メロディをミッチェル(tp)がストレートに吹いているだけで、情緒が良く出ているように感じます。ゴルソンの編曲による「Nica's Dream」は、ゴルソンハーモニーも聴け、哀愁に満ちています。

【喫茶店 ブルーリボン】

住所:長野県長野市南千歳2丁目5-1
電話:026-226-5965
ホームページ:喫茶店ブルーリボン

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スタンリー・カウエル EQUIPOISE

2014-07-06 08:49:06 | ピアノ・トリオ

安曇野市穂高にある入浴施設、穂高老人保健センターへ行ったついでに、その横にある有明山神社を訪れました。ここは、ご神体が有明山で、山岳信仰の神社です。訪れた本宮(里宮)のほかに、有明山山頂に奥大宮があります。境内には、山門や小さな滝、開運招福の石などがあり面白く、文化的にも見所があります。お賽銭を投げいれ、いろいろとお願いしてきました。ちょっと神秘的な響きも聴こえるアルバム。

STANLEY COWELL (スタンリー・カウエル)
EQUIPOISE (Galaxy 1978年録音)

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スタンリー・カウエル(p)は、チャールス・トリヴァー(tp)と、1969年にミュージックIncを結成して熱い演奏を繰り広げたことで、記憶に残るピアニストです。代表作には、ソロの「MUSA」などがありますが、類型化がしにくく、熱いプレイをやるかと思えばクールだったりと、僕には若干捉えどころがない感じでした。しかし、これは、トリオ編成で、きれいな自作に加え、ジャッキー・マクリーンの曲があるなど、親しみやすいものです。

メンバーは、スタンリー・カウエル(p)、セシル・マクビー(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。カウエルの演奏からは、ビル・エヴァンス寄りのところや、クラシックからの影響も感じられます。細かいパッセージなど、音が揃っていて、かなり修練を積んだテクニシャンだろうと想像できます。音色が明るめで、フレーズにあまりブルーなところがなく、デビュー当時はフレッシュなミュージシャンと捉えられたことと思います。

曲は、カウエルの自作が、「Equipoise」、「Musa and Maimoun」、「November Mood」、「Dave's Chant」の4曲、セシル・マクビー作「Lady Blue」、ジャッキー・マクリーン作「Dr. Jackie」で全6曲。CDでは、「Equipoise」(別テイク)、「Lady Blue」(別テイク)、「Dr. Jackie」(別テイク)の3曲がボーナスとして加えられています。

カウエル(p)の演奏には、抒情が醸しだされていて、美しい旋律と和音の響きを味わうことができます。バラードの「Lady Blue」は、儚げな旋律が美しく、マクビー(b)のソロも入ります。「Musa and Maimoun」は、初め、ラフマニノフなどロシアの作曲家を想い出させるメロディと和音が流れていき、ピアノの研ぎ澄まされたサウンドも素晴らしい。「Dave's Chant」は、曲調にキャッチャーなところがあり、カウエルの絶妙なトリルなどかっこいい演奏。

【有明山神社(里宮)】

住所:長野県安曇野市穂高有明宮城7271
電話:0263-83-3764

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山門(裕明門)。明治35年に日光東照宮の陽明門を模して建てられたもの。天井などに彫刻が施されています。

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裕明門の拝殿側には、白い馬と黒い馬の彫刻が置かれています。これは白馬。

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開運・招福の石。中をくぐると開運になるようですが、太った大人がくぐるのは厳しそうです。

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拝殿。

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敷地内にある「妙見 里の瀧」。この場所をはじめ、安らぐ境内です。    


アン・バートン BY MYSELF ALONE

2014-07-02 22:05:42 | ヴォーカル(A~D)

先日、買い物のついでに、安曇野市明科のあやめ公園を散策してきました。ここには、あやめ(花菖蒲)が、70種5万本植えられていて、遠くから見にくる方も多いようです。そろそろ散り始めでしたが、今年も順調に開花して、カラフルでした。ついでに、近くの長野県水産試験場も覗いてみました。ここの一部は、その昔、ニジマスの釣り堀として運営(営業)されていて、僕も釣りに興じたことがありました。花(チューリップ)で有名なオランダの歌手です。

ANN BURTON (アン・バートン)
BY MYSELF ALONE (EAST WIND 1974年録音)

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アン・バートン(vo)の二度目の来日の際に、録音されたアルバムで、伴奏は全て日本人ミュージシャンが当たっています。内容とは関係なのですが、レモンを使ったジャケット写真が変わっていて、どういう意味があるんだろうとちょっと考えさせられます。レモン果汁で夏を乗り切ろうということで、それに加えて、清涼感を感じてくれということでしょうか。

このアルバムでは、伴奏陣のソロも多く入り、インストも楽しめます。メンバーは、アン・バートン(vo)、佐藤充彦(p)又は小川俊彦(p)、稲葉国光(b)、小津昌彦(ds)、宮沢昭(ts, fl)、中牟礼貞則(g)。佐藤充彦のピアノがとりわけフレッシュに聴こえますし、宮沢昭のフルートがいい雰囲気を出しています。

新しい曲も含まれて、バートンはかなり幅の広い選曲をしています。「Come Rain Or Come Shine」(降っても晴れても)、バート・ハワード作「Let Me Love You」、マーヴィン・フィッシャー曲、ジャック・シーガル詞の「May I Come In?」と「Love is A Necessary Evil」、ドン・マクリーン作「Oh! My What A Shame」と「Birthday Song」、「By Myself Alone」、ビートルズとカーンの「Yesterday & Yesterdays」、「I Could Have Told You So」、「That Old Feeling」、「Travellin' Light」の11曲。再発CDでは、ここに2曲追加されているものもあります。

アン・バートンが噛んで含めるように、また、しっとりと歌詞を綴っています。「Come Rain or Come Shine」は思いきったスロー・テンポで、歌はもちろん宮沢昭のフルートも記憶に残ります。「Love is A Necessary Evil」は、曲想が新しめで、ボッサ・リズムで軽めに歌われますが、この歌を取り上げたのは彼女だけかもしれません。「Yesterday & Yesterdays」は、はじめスローで出て、スイングし、曲が変わって、スローに戻るという構成がよく、他にも爽やかな「Birthday Song」や懐かしいムードの「That Old Feeling」と、聴きどころの多いアルバムだと思います。

【安曇野市明科 あやめ公園、長野県水産試験場】

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最近は、「信州サーモン」を開発した試験場です。犀川の対岸(西側)にも試験地を持っていて、信州サーモンの稚魚はそちらで養殖しているとのことです。

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奥の方にかつて釣り堀がありました。

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大型のニジマスが泳いでいます。