安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

キャロル・シンプソン LIVE AND OTHERWISE

2014-09-14 10:03:23 | ヴォーカル(A~D)

そろそろ蕎麦の花が咲く時期なので、安曇野市から長野市に帰る途中、大町市方面を通り、中山高原に寄ってみました。期待に違わず、白い可憐な花が咲いていて、一帯は、まるで白い絨毯が敷き詰められたようでした。放牧されている山羊が草を食べていて、のどかなムードも醸し出されていました。トンボも舞っていて、秋が近づいてきているようです。静かな場所を散策したので、リフレッシュした気分になりました。美貌で可憐な歌手です。

CAROLE SIMPSON (キャロル・シンプソン)
LIVE AND OTHERWISE (SSJ 1990年~1999年録音)

   Liveandotherwisecarolesimpson

キャロル・シンプソン(vo)については、自分のホームページに2枚のアルバムを掲載してあります。その2枚しかないと思っていたら、「リメンバリング」(Raven、1999年録音)という自費出版のものがあるようです。しかし、これはライブ会場でしか売っていなかったというので、入手は不可能でしょう。今回のものは、ライブ会場や自宅スタジオで録音されたプライベート音源と前期「リメンバリング」からの曲を収録した4作目で、世界初登場です。

4つのセッションからなりますが、7曲は、ハリウッドのヴァイン・ストリート・バー&グリルにおける1990年5月22日のライブ録音です。その時のメンバーは、キャロル・シンプソン(p)、ジェシー・マーフィー(b)、マイケル・パーシマント(ds)。また、4曲は、シンプソン一人による弾き語り、1曲はシンプソンとデイヴィッド・キューン(b)のデュオによるもの。トリオによるライブ録音が俄然注目されます。

曲は、トリオによるものが、「'Deed I Do」、「Exactly Like You」、「But Not for Me」、「Gentleman Friend」、「Spring in Maine」、「Sometimes I'm Happy」、「You Forgot Your Gloves」の7曲。キャロル一人による弾き語りで、「Fly Me To The Moon」、「How About Me?」、「Down in the Depths on the 90the Floor」、「Our Song(Line for Lyons)」、「Have I Stayed Too Long at the Fair」の5曲。ベースとのデュオで「Don'cha Go 'Way Mad」で、全13曲。なじみのないものもありますが、スタンダード系が多いです。

キャロル・シンプソンのピアノ弾き語りをじっくりと聴くことができました。全体に穏やかで上品な歌とピアノで、インティメイトなムードが出ています。「But Not For Me」では快適にスイングし、「Sometimes I'm Happy」はミディアムテンポで、ピアノソロやスキャットも交え、ブルージーな味わいもあります。「You Forgot Your Gloves」は、投げかけるような出だしが面白い佳曲で、楽しげです。スタンダードの「Fly Me To The Moon」は、スローテンポで歌われているのが珍しく、しっとりとしてよかった。

【中山高原 蕎麦の花など】

所在地:長野県大町市中山高原
紹介ホームページ:さわやか信州旅ネット 中山高原

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あたり一面蕎麦の花です。

      Sobanohanakakudai220140907
姿勢を低くして、横から撮ってみました。

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NHK連続テレビ小説「おひさま」のロケ地になったところです。

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蕎麦の花を上から撮ってみました。

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真ん中の支柱の上にトンボが止まっています。天候の関係で北アルプスはよく見えません。

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コスモスも咲いていました。トンボ、コスモスと秋の装いです。  


トミー・フラナガン THE TOMMY FLANAGAN TRIO

2014-09-10 21:24:49 | ピアノ・トリオ

長野県下伊那郡泰阜村に住んでいる知人が、仕事のついでに僕を訪ねてくれました。飯田市に単身赴任していた時に知り合った方で、トマトや市田柿の生産・加工などを行っています。お土産に、同村にある(株)ゆず姫の「ゆず生姜飴」と「山ぶどう飴」をいただきました。(株)ゆず姫の主力商品は、「ゆずチョコレート」ですが、ゆずを使ったカステラや飴なども作っています。どちらの飴もすっきりとして美味しい。最高に美味なアルバム。

TOMMY FLANAGAN(トミー・フラナガン)
THE TOMMY FLANAGAN TRIO (Moodsville 1960年録音)

   Moodsville_9

トミー・フラナガン(p)の超有名アルバムです。どうして、取り上げたのかといいますと、日本盤LPを既に持っていたのですが、それを失念して、タワーレコードの店頭で見かけたCDを買ってしまったからです。物忘れを度々するようになっただけですが、これは、常に手元に置いておきたいアルバムです。

メンバーは、トミー・フラナガン(p)、トミー・ポッター(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。プレスティッジの傍系レーベルであるムーズヴィルは、その名の通り、スタンダード曲を収録したムーディーなアルバムを制作したレーベルです。ラインナップを見ると、レッド・ガーランドやフランク・ウェスのものなど食指をそそられるものも何作かあります。フラナガンのものは、このレーベルの代表作といっていいかもしれません。

曲はスタンダードが、「In The Blue of The Evening」、「You Go To My Head」、「Velvet Moon」、「Come Sunday」、「Born To Be Blue」、「In A Sentimental Mood」、そしてフランガンの自作「Jes' Fine」の全7曲。よく知られている曲ばかりではありませんし、デューク・エリントンのものが2曲入っています。このあたりは、フラナガンの選曲のセンスの良さが発揮されているのではないでしょうか。

スローからミディアムテンポくらいで、しみじみとした美しいピアノ演奏を楽しめます。しゃれた前奏とともに、和音にそった自然な響きのアドリブが心地よく、たまに入れるアクセントも効果的です。全部いいけど、特に、「Velvet Moon」や「In A Sentimental Mood」におけるテーマの歌い方やメロディアスなソロが印象深く、フラナガン自作の「Jes' Fine」では、力強さもみせ、よくスイングしています。

【(株)ゆず姫のゆず生姜飴と山ぶどう飴】

(株)ゆず姫住所:長野県下伊那郡泰阜村大畑7520
(株)ゆず姫電話番号:0260-25-2200
(参考)泰阜村ホームページ:泰阜村ホームページ

      Yuzuhimeyuzuame201409
それぞれ内容量は70グラムです。

      Yuzuchocopaccage
ヴァレンタイン・デイの季節によく売れる柚子チョコレート(パッケージ)です。


板橋文夫 WATARASE

2014-09-07 08:54:50 | ピアノ

近所のTUTAYAに出かけて、DVDを物色していたら、邦画の棚に、「昭和キネマ横丁」というコーナーが設けられていて、関連作品が陳列してありました。僕は、邦画の古いところをたまに見るので、こういう企画はありがたい。さっそく、岡本喜八監督の「暗黒街の顔役」を借りてきました。やくざ社会のアクションものですが、映画の中には、ジャズ喫茶(今でいうライブハウス)も登場し、コンボをバックに歌う場面も出てきます。日本のジャズを。

FUMIO ITABASHI (板橋文夫)
WATARASE (Nippon Columbia 1981年録音)

   Watarasefumioitabashi

板橋文夫のソロアルバムです。ピアノ・ソロのアルバムはたくさんありますが、飽きさせずに最後までリスナーを惹きつけるものは数少ないと思いますが、板橋文夫のこれは、その数少ないうちに入るのではないでしょうか。LP時代に、再発されなくて、幻の名盤となっていたものですが、2005年にCDで再発され容易に手に入るようになりました。

ピアノの演奏とともに、「Watarase」や「Good Bye」など板橋文夫のオリジナル曲がよいことも特長として挙げられます。日本流の旋律、響きが聴こえているところもあります。全部通して聴くと、ジャズといってもいいし、クラシックだといってもおかしくない、そういうジャンル分けは無用だと思わせます。

曲は、「Someday My Prince Will Come」(いつか王子様が)、ダラー・ブランド作「Msunduza」、「I Can't Get Started」(言い出しかねて)、あとは板橋の自作で、「Tone」、「Watarase」、「Miss Cann」、「Good Bye」の全7曲。彼は映画音楽も手がけていて、「Good Bye」は、柳町光男監督の「19歳の地図」のために書いた曲です。

マッコイ・タイナーの影響も垣間見える剛腕ピアニストといったイメージがある板橋文夫ですが、このアルバムでは詩的抒情に満ち、しかも甘さに流れないプレイを行っています。「Msunduza」ではビートに乗って左手も含めて力強いプレイを展開していますが、「Tone」、「Watarase」、そして「Good Bye」と、それぞれの情景あるいは背景も想像できるようなピアノの響きは、美しく、儚げに訴えかけてきます。トレモロ、右手の細かい下降フレーズ、グリッサンドなどを駆使して自在な表現をしています。

【岡本喜八監督 暗黒街の顔役】

      Ankokugainokaoyakuokamotokihachi_2
鶴田浩二と宝田明が出演しています。この映画は、テンポがよくて緊張感が持続していきます。また、歌手の一人として「中島そのみ」が出演し、歌う場面もあります。

      Shouwakinemayokiochoupamflet201408     Nihoneiga110nenshiyomotainuhiko
左は、ツタヤで配布されている小冊子「昭和キネマ横丁」。作品の紹介などがあって、見ているだけで楽しく、参考になります。右は、最近買って読んでみた、日本映画史110年(四方田犬彦著 集英社新書)です。僕のような映画初心者にもってこいの映画史で、読みやすいよい本です。

        Thehulahoopsongnkajimasonomi
アーリー60’ポップ・ガール・シリーズの一枚。中島そのみの歌が18曲収録されているCDです。はじめは、ウェスタンの歌手として活動しましたが、女優として多くの映画に出演しています。


ハンク・モブレイ WORKOUT

2014-09-03 20:39:22 | テナー・サックス

群馬県前橋市にあるジャズ喫茶「木馬」に行ってきました。群馬大学病院近くの住宅街にある同店は、普通の住宅という外観でしたが、店内は天井が高く開放的で、音楽を聴くのに相応しい空間でした。マスターが、ジョン・コルトレーンの「BLUE TRAIN」(Blue Note)やハンク・モブレイの10インチ盤「HANK MOBLEY QUARTET」(Blue Note)などをかけてくれましたが、オリジナル盤レコードとアルテックA7で聴く50年代ジャズはエネルギーに満ちて迫力がありました。帰宅後、ハンク・モブレイのLP(king盤)を聴いてみました。

HANK MOBLEY (ハンク・モブレイ)
WORKOUT (Blue Note 1961年録音)

   Workout

「木馬」では、他にも、コンテ・カンドリの「Sincerly Conte」(Bethlehem)や、ハーブ・エリスの「Nothin' But The Blues」(Verve)などをかけてもらいました。エリスのギターが、密度が濃く、艶やかな音で再生されたのにもびっくりしました。帰りに、車を運転しながら、帰宅したら何を聴こうかと考えていましたが、久しぶりにハンク・モブレイにしようと決めました。何を聴こうかとあれこれ思いを巡らせているときは楽しいものです。

「Soul Station」、「Workout」、「Poppin'」(いづれもブルーノート・レーベル)とモブレイの有名アルバムを聴きましたが、「Workout」をブログに書くことにします。メンバーは、ハンク・モブレイ(ts)、グラント・グリーン(g)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。グリーンを除けば、マイルス・デイビス・グループのメンバーで、この4人によるセッションは、「Another Workout」として1985年に陽の目をみました。

ハンク・モブレイが作曲の才を示した4曲と、スタンダードが1曲です。モブレイ作が、「Work Out」、「Uh Huh」、「Smokin'」、「Greasin' Easy」。スタンダードは、「The Best Things in Life Are Free」。モブレイの自作タイトルは、いかにもハードバップのその時代という趣きで、聴く前からわくわくします。「Smokin'」や「Greasin' Easy」あたりは、生活感覚が出たブルースかもしれないと、なんとなく推測もできて、曲名がわかりやすくて楽しい。

モブレイのアルバム中には、ミディアム・テンポくらいでプレイされるスタンダード曲が収録されていますが、僕はこれが大好きで、歌ものが元々好きなことに加えて、モブレイの中庸を行くテナーでテーマ、アドリブとくると、それだけで幸せな気分になります。ここでは、「The Best Things in Life Are Free」がそれに当たります。そして、他の4曲はファンキーなナンバーで、グラント・グリーン(g)が意外とクールなソロをとっている「Smokin'」、「Greasin' Easy」をはじめどの曲も充実。

【ジャズ喫茶 木馬】

所在地:群馬県前橋市下小出町2-1-12
電話:027-231-6520
紹介ホームページ:ジャズ喫茶 木馬 (ぐんラボ)
 

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木馬の看板です。左手は、駐車場になっています。

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建物外観です。入り口は左の角のところです。

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店内の様子。左側と後方にもスペースがあります。

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使用している、アンプとプレイヤーです。

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ブルートレインのLP。もちろんオリジナルです。

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カウンターの様子。あとから来た方が、椅子の一つに腰掛けました。

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カレーセットです。珈琲もついて1000円なので、安いと思いました。