家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

子犬を連れて

2010-03-10 08:14:25 | Weblog
妻と一緒に山に入った。

私はナタとノコギリで雑木を切り倒す。

妻はカッサライ(草を掻っ浚う道具)で草をかっさらっていた。

私はナタで木を切っているときにも妻が少し気になる。

山から落ちはしないか。

草で滑って転びはしないか。

一息つく時には妻を探して確認する。

作業は奥へと進むが意識の一部は、妻のそばに置いていく。

自分の作業をしている時にも耳をそばだてて音を聞いている。

「静かになったときが危ない。何かしでかすぞ」

子育ての時に経験したことを今また実践している感覚だ。

見ると妻は杉の木の皮を剥がしていた。

「虫が食ったみたい」と言って、けっこう上の方までカッサライで剥がし続けていた。

これは妻の好きな作業だ。

山にある切り株の腐りかけた部分を切り崩す。

あちらこちらで、そのような切り株を見つける。

そんな切り株を見つけると1人で作業しているときにも妻と居るような気がする。

「子犬を連れて山に入ったみたいだ」と妻に言った。

主人が仕事をしている間中何かでじゃれているような感じを受けたのだ。

すると妻は妻で逆に感じていたようだ。

妻が子犬を連れてきて山に放す。

木を切るのが好きな子犬は次から次へと切っては移動する。

「はぐれないように近くまで来て見守っていたけど、まだやってる。そうとう好きなのね」
と。