「ナーナーナ ナナナーナー ナナナーナー」
車の中は私の叫ぶひどい音程で満ちていた。
図書館から借りているビートルズのCDの中の17トラック「ヘイジュード」が流れていた。
春野に向かっていた。
自宅から聞き始めたビートルズアンソロジーをバックに気分良く走行する。
運転席から見たものから思いつき、またそこから連想しては考えイロイロ頭の中を混ぜ混ぜしながら走行していた。
天浜線天竜二俣駅の近くで我々の地区担当駐在さんが車の運転手と話をしていた。
「おや○○さんだ」と思いながら進む。
しばらくすると違う巡査が赤色点滅ライトを持って立っていた。
「あれ。こちらにも」
続いて以前強盗に遭った郵便局にもオートバイにまたがった巡査がいた。
「今日は、やけにおまわりさんが出ているな」と感じた。
いつもネズミ捕りをする箇所に差し掛かった。
ここを走行するのは私だけ。
対向車は何の合図も送ってよこさない。
だが必ず法定速度にするくせがついている。
「おっカメラだ」
安心してカメラの横をヘイジュードを唸りながら通り抜けた。
見ればヘッドセットをした巡査が訪れない客待ちに疲れた感じで、ダレた様子だ。
毎日毎日雨が降り続く中やっと晴れた。
この日に急いでやらなくてはいけないことがある人がいる。
この日には軽快に飛ばしたくなる感情が生まれる。
その日に速度取締りがある。
飛ばしたくなる箇所での取り締まり。
今日は、それがありがたいものに感じた。
誰にでもあり得る「スキ」を通常の感覚に戻す作用がある。
油断は人生を台無しにする。
車の中は私の叫ぶひどい音程で満ちていた。
図書館から借りているビートルズのCDの中の17トラック「ヘイジュード」が流れていた。
春野に向かっていた。
自宅から聞き始めたビートルズアンソロジーをバックに気分良く走行する。
運転席から見たものから思いつき、またそこから連想しては考えイロイロ頭の中を混ぜ混ぜしながら走行していた。
天浜線天竜二俣駅の近くで我々の地区担当駐在さんが車の運転手と話をしていた。
「おや○○さんだ」と思いながら進む。
しばらくすると違う巡査が赤色点滅ライトを持って立っていた。
「あれ。こちらにも」
続いて以前強盗に遭った郵便局にもオートバイにまたがった巡査がいた。
「今日は、やけにおまわりさんが出ているな」と感じた。
いつもネズミ捕りをする箇所に差し掛かった。
ここを走行するのは私だけ。
対向車は何の合図も送ってよこさない。
だが必ず法定速度にするくせがついている。
「おっカメラだ」
安心してカメラの横をヘイジュードを唸りながら通り抜けた。
見ればヘッドセットをした巡査が訪れない客待ちに疲れた感じで、ダレた様子だ。
毎日毎日雨が降り続く中やっと晴れた。
この日に急いでやらなくてはいけないことがある人がいる。
この日には軽快に飛ばしたくなる感情が生まれる。
その日に速度取締りがある。
飛ばしたくなる箇所での取り締まり。
今日は、それがありがたいものに感じた。
誰にでもあり得る「スキ」を通常の感覚に戻す作用がある。
油断は人生を台無しにする。