家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

市街地の弱肉強食 の2

2011-11-18 07:11:46 | Weblog
結局持っていたケータイで何枚か撮った。

通りすがりの人たちに何回か説明をしたが皆「怖い怖い」と言うだけで直視せずに去っていく。

薄暗かった景色は、もう夜と呼んでも大げさではなくなっていた。

私のケータイ撮影画像は、ほとんど鳥らしき物体は確認できない。

時刻の経過は16:45着水16:48水路に上がった16:49羽をむしり始めカラスが去った。

17:01大きく事態が動いた。

ネコが現われたのだ。

タカが羽をむしりあらわになった肌を、ついばみ始めていたとき背後にネコが身をかがめて前進していた。

タカは、まだネコに気付いていない。

全身が白いネコで耳だけが少し茶色がかっている。

気配を消し去ったネコが飛び掛るのか?

突然タカが飛び上がり川の横に植えられたサクラの木に留まった。

私は移動を決心した。

川の反対側の現場に到着して忍び足で覗き込む。

ネコは水路を覗き込んだまま動かない。

タカを探した。

もうどこにも居なかった。

せっかく捕らえた獲物だが腹いっぱい喰うことはできなかった。

ネコは周囲の警戒を怠りなく臭いを収拾する。

目の前の餌が先ほどまで飛んでいた鳥である事は血や羽の臭いで分かったと思う。

だがこのネコにしてもタカとの遭遇は初めてであり事態の把握は困難を極めていただろう。

水路に下りることなくウロウロして臭いを嗅ぎ続けた。

目は獲物から放すことはない。

カメラに写せる明るさの限界と次のスケジュールの関係で私も自宅に引き上げた。

学童たちは家路に急ぎ主婦は夕食の支度に忙しい。

市街地で行われた弱肉強食の現場にも普通の夜が訪れた

翌朝カメラを持って水路に行って見た。

シラサギは、そのまま横たわっていた。

ネコはタカの残したエサを食うことはなかった。

水路は2段階になっていて少し傾斜の緩くなった所で食してあった。

まだほとんど残っていた。

捕まえるエネルギーを補てんするには、ほど遠い量と思われる。