家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

ジビエを食す

2011-11-21 07:39:30 | Weblog
春野産業祭りを見に行った。

会場に到着すると、まだ設営している店が大半だった。

手もみ茶の店に通りかかった。

白い帽子をかぶった二人が手もみの実演をしている時もう1人の爺さんが容器の中にブラシを入れて登場した。

これは何か「秘伝のタレ」でも混ぜるのだろうかと思い見ていると、その茶葉を乾燥させるための暖められた和紙と枠組みの木に、ほころびがあり、それを貼り付けるためのノリだった。

手もみの台の下から熱をあてて和紙を暖めて、そこで茶葉をもむのだ。

「倉開流の秘伝のタレを茶葉に混ぜるのかと思いました」と言うと「あんたもやってみな」と言うことになった。

さっそく手を洗ってやらせてもらった。

茶葉は、まとまりがよいようでもあり、またバラバラにもなる。

力を入れる加減と転がす方向が、やはりベテランは違う。

私は腰が痛くなってきたので止めた。

手を前に伸ばすときに腰に負担が掛かったようだ。

薄っすら掌に茶葉の香がした。

説明と実技指導をしてくれた爺さんがお茶を入れてくれた。

小さな紙コップに香ばしいお茶が注がれた。

私に渡すと、また手もみに戻っていった。

さて会場には美味しそうな匂いや煙が何箇所も立ち上っている。

ジビエ料理と書かれた焼きそばを買う。

鹿肉とイノシシ肉が使われているという。

また子持ち鮎の塩焼きと里芋の田楽そしてなめこ汁も一緒にいただいた。

まだ10時にもなっていない。

だが空腹とは、ほど遠い胃袋にも美味しく感じられた。

ジビエ(狩猟によって、食材として捕獲された野生の鳥獣)は春野では当たり前のことだ。

冷蔵庫のない時代運送業の未発達の時代から地で獲れた物を食していたのだから。

遠くからでも物資の供給ができる時代だからこそ地の物が注目されるというのは皮肉なことだ。

野菜やこんにゃくなどを買い込んで春野の家に到着した。

我が家の柿は、やっと一つ熟した色になった。

家でできた柿を食べるのは子供の頃以来だ。

渋柿だが熟して甘い部分を食べさせてもらった。

妻は残りの少し渋みのある部分を食した。