Chinaがドル集めに画策しているのかと、10月30日、第3531回の「★中国のアリペイ運営会社、11月5日上場へ 史上最大3・6兆円調達」で、取上げた上場が延期だそうです。何が起きているのでしょうか。
宮崎さんが詳しく書いてくれています。これはChinaにとっては痛いはずですが、余程の裏がありそうですね。
その辺りを宮崎さんが続いて書いてくれています。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和2年(2020)11月4日(水曜日) 通巻第6688号
中国、「アント」の上場を突然延期し、馬雲を取り調べ
3兆6000億円が「蒸発」するのか?
これは「大事件」である。
「アント」は香港と上海の株式市場にIPO(株式公開)を行う予定だった。この予告があって、本来なら暴落気味の中国 の株 式が、一定されてきた。
アントはアリババ傘下の金融子会社、庶民銀行と換言してもよい。利用者10億人、スマホ決済の主流になりつつある。
ということは中国当局の経済統制が限界を超える。国家金融主義で、通貨の統制を図ってきた中国共産党に取ってみれば、脅 威で ある。
株式上場を予定してきたアント、投資家の熱狂も手伝って事前申し込みが殺到していた。株式情報筋によれば、史上空前の 3兆 6000億円というデビューを飾る予定だった。
中国当局は馬雲(アリババ創業者)の取り調べを行っていた(11月2日)、この情報がもたらされると、アントの香港、 上海 同時上場の延期が発表された。
馬は「新たらしい時代の証券への監督は対応できるが、古い感得監査は受け入れがたい」として、当局の神経を苛立たせて いた という。統制側からみれば、馬の発言は挑発的であり、共産党支配への反対声明とも受け止められるからだ。
習近平は五中全会で、中国の「GDPを2035年までに二倍にする」と発言したらしい。
公式発表ではGDP数値目標は示されていない。2035年までに中国のGDPが二倍になる可能性は殆どないが、というよ りこ れからは縮小の方向へ向かうだろう。
アントにどうやら怪しげなところがあるようです。これも宮崎さんが詳しく書いてくれています。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和2年(2020)11月5日(木曜日) 通巻第6689号
アントは中国マネー市場を食い荒らす蟻だった
上海と香港で上場延期が与えた衝撃、市場は暴落気配
米大統領選挙の報道の影に隠れた。トランプvsバイデン接戦報道で、日本では投資家いがい関心がないかも知れない。
馬雲率いるアリババ傘下の金融フィンテック企業「アント」が香港と上海でIPO(株式公開)を準備していた。同時上場は快挙とも言われ、また株式市場の暴落を防ぐ効果的手段として、むしろ当局は推奨していたのだ。
上海では申込金だけでも300兆円という天文学的数字、香港でも申し込みは155万人、空前の出来事だったのである。
上場によって、およそ3兆6000億円をかき集め、馬雲はビルゲーツを抜いて世界一の金持ちになるとも言われた。
突然、舞台は暗転し、上場は「延期」された。再検討されて、上場となるのは半年先の話、あるいは上場はなかったことになるかも知れない。
当局が延期を命じたのは、馬への嫉妬ではない。スマホ融資というフィンテックの実態が不明なことであり、また馬発言の「危険度」である。
もし中国が「資本主義市場」というのなら、規制は緩やかで市場は自由にのびやかに、株式には夢に投資するものである。だから馬雲は、「中国にシステミックなリスクはない。なぜ? 中国にはシステムがないからだ」とずばり本質を発言してきた。中国人民銀行は監督官庁でもあり、11月2日に馬雲を呼び出して聴聞した。
アントがスマホで貸し出した金額たるや、過去一年間で116兆元(邦貨換算で1860兆円、日本の国家予算の18倍!)。 現金流通の14倍である。
かくてアント(ANT)は、中国マネー市場を食い荒らす人食い蟻だった
何ともとんでもないことが行われていたようです。この金は何処に消えたのでしょうか。
やはり、何があっても、Chinaは叩き潰すしかなさそうです。さて、それをやってくれるトランプさんはどうなったのでしょうか。まだ決着は着かないのでしょうね。