以前も書いたが、ビートルズのサージャントペパーズのジャケットのように、今まで作ってきた人物を1画面に集合させてみたいのだが、どんな背景にしようかと考えるうち、未だとりかかれていない。作っては画面に継ぎ足していければと思うが、撮影するたび、同質の光を当てていかなければ、同じように収めることはできない。私が乱歩の『盲獣』で制作した、盲獣の餌食になった女性達は、新しいものと一番旧いものとの間に20年近い開きがあるが、たまたま同じ部屋で、同じような条件で撮影していたおかげで、ネガを引っ張り出して合成できたのである。よって過去の作品は、たとえ写真が残っていても、条件が合わなければ合成はできない。その場合はしかたがないので、撮影日に欠席した同級生のように、楕円形に貼り付けるしかないだろう。
これは自分の楽しみとして作ってみたいのだが、たとえば私が死んだ時に、大きく引き伸ばしてもらい、それを見ながら「こんなものばかり作って死んじゃったよ」などと大笑いして、大いに飲み食いしてもらう趣向もいいのではないか。しかし一方、生前呆れられたり笑ってもらう分にはいいのだが、死んだ後笑われるというのはどうなのだろうという気もする。だったらいっそのこと、参加者全員を悲しみのどん底に突き落とすような企画を用意しておくのも良いだろう。そう簡単には思いつかないが、私の経験では昨日まで元気だったのに、というのが一番こたえたが、それは私が厭である。とりあえず蛭子能収のように、人の葬式で笑わずにいられないような人物は遠ざけておきたい。 外を吹く強風に流されたか、書き始めには思いもよらないところに着地した本日の雑記であった。
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