明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



そういえばジン・キニスキーがよくやった、膝で腹を蹴るプロレス技をキッチンシンクというが何故だろう?最近、あれだけ好きだったプロレスも興味を失いつつある。身体つきがみんな似ていて、個性も感じられない。 私は特に悪役レスラーが好きであった。むかし、キラー・バディ・オースチンというレスラーがいて、(キラーというくらいで、パイル・ドライバー(脳天杭打ち落とし)で二人殺している)そのせいか、酒びたりになり、息子の事故死や離婚など悲惨な結末であったが、腹も出ていて脚も細く、今では考えられないスタイルだが、これがいかにも酒場の用心棒的なリアル感があった。幼稚園児の頃からプロレス番組に親しんだおかげで、あらゆる人種の、様々な身体つきのポーズが頭に入っていて、じつはそれが造形上のネタ元になっているという、ウソのような私なのだが、今の格闘家のようなビルドアップされた身体は美しくはあるが、だぶついた贅肉にこそ、職業者、生活者としての味わいがあった。悪役は酒びたりで酒場のケンカがトレーニングみたいな雰囲気が好ましく、まじめに腹筋を割っているような男は、悪役にはふさわしくない。

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