明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



実家でもらってくるキクラゲは、茹でるとたいそう立派である。そこで思いついたのが、皮をむいた骨付きの鶏肉をザク切りにし、野菜とキクラゲとともに煮るという鍋である。ココナツミルクなどで煮ると雰囲気が出るだろう。 私の友人には、気が小さいくせに、物事に動じない風な見栄をはる下町っ子が多い。そこで、今日は珍しい鍋を食わすからとウチに誘う。フルーツ・バットっていうフルーツしか食べないコウモリの鍋だと蓋を取る。顔色を変えたのを気取られないように「それは知ってるけど、翼は食わないだろ?」キクラゲを見て、そいつは言うだろう。「昔はな。最近は食うんだよ。リンゴの皮と同じで、ここに栄養があるんだそうだ」箸でキクラゲをちょっとつまむ(キクラゲとバレ無い程度に)「ほら食べやすいように毛は焼いてあるんだよ。観光客には人気だそうだぜ。」 肝心な事は、鍋の蓋を取る前に、彼が空腹であることを確認しておくことである。以前、昼飯遅くて、今は腹減ってないんだ、と逃げられた苦い?経験があるからである。

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