明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


中央公論adagio創刊号は乱歩である。赤い空を背景に、満月と浅草は稜雲閣を配し、乱歩がカッコよく見えるように制作した。私はこの老人像は、何故か常にそれをテーマにしている。きっと好きなのであろう。 近所の古石場図書館に行き、向田邦子について書かれている本を借りる。著者の文章のリズムが生理にあわず閉口したが、電車に揺られて読んでいるうち収まった。 世田谷文学館の『向田邦子 果敢なる生涯』を観にいく。ここへ来るのは昨年の乱歩の朗読ライブ以来である。受付は看護婦役でスライド出演してもらった女性であった。礼を言う。あの時は、撮影の合間にも、たびたび外の灰皿の前で、タバコを吸っていた。もう少しで禁煙も一年に達する。 会場内のパネルを見ていると、ホームドラマ好きの両親のおかげで、向田ドラマを随分初期から観ていたことを知った。向田が“勝負服”と呼んだ服が展示されており、“大きさが”判った。イメージしていたより小柄であった。いちおう空気を吸ったので、レセプションの前に帰宅する。

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