明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

魔法  


ある歌人の方から拙著『ObjectGlass12』に対し、「見飽きない魔法の一巻」という過分なお葉書きを頂戴した。実に嬉しくありがたい。 飽きないといえば、音楽でいうと、私には唯一ジャズのチャーリー・パーカーがある。飽きない理由はこの世のものではないからだ、というのが、私なりの結論である。それしか理由が思いつかないのでしかたがない。 子供の頃、漫画雑誌を隅から隅まで、あのいかがわしい、子供だましの広告まで読んでしまい、読むたび記憶が無くなれば、大人になるまで、この1冊でいいのに、と溜息をついたものだが、飽きないためには、それこそ魔法が必要である。前著『乱歩 夜の夢こそまこと』で私の作品に編集者やデザイナーという他人の手が加わり、私本人が見飽きない物ができた。そこで今作も、ひき続きデザインは北村武士さんにお願いしたわけだが、前作の経験から、北村さんが何を言っているのか理解できなくても、お任せしていたら、前述のご意見をいただけるような本ができていた。昨日も北村さんにお会いしたばかりだが、箒にまたがって、こんな似合う人は、まずいない。

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