明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



宮沢賢治はできるだけ空に近い所でと考えていたので、『霧雨のニコライ堂の屋根ばかりなつかしきものはまたとあらざり』と歌ったニコライ堂の上に登ってもらった。背景には銀河鉄道。両方とも模型である。現在のニコライ堂は震災後に立て替えられているので、江戸東京博物館の、ジョサイア・コンドル設計の、初代を再現した展示物を使用。銀河鉄道は『月刊とれいん』の平井憲太郎さんにお骨折りいただき、製作者の方にお借りした岩手軽便鉄道である。 宮沢賢治というと真面目なボクサーのように、決して顎を上げないというイメージがあるので、あえて下から煽って撮影した。一度作ると、どこからでも撮れるのが立体の良いところで、下から見るとこんな顔なのかと思いながら撮影した。これが賢治か、というむきもあろうが、下から見た顔など誰も知らないのでいいのである。 前号の手塚治虫と今号と、高所のSF調が続いたので、4月配布の8号は一変して、思いっきり地べたに密着させるつもりである。

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