明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


連休最終日、田村写真に出かける。田村さんにebayで落札してもらった写真集『Seymour on Ballet』を受け取る。1940年代に出版されたものでセピア調の印刷が美しい。撮影モーリス・セイモア、監修レオニード・マシーン。 セルゲイ・ディアギレフ率いるバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)はディアギレフ亡き後分裂し、アメリカの津々浦々、相当な田舎にまで興行に出向いていく。おかげで特にアメリカでは、バレエ・リュスといえば、むしろディアギレフ以降の方が有名だそうである。その残党がハリウッドに進出し、ミュージカル映画に貢献するわけである。モーリス・セイモアはアメリカのカメラマンで、バーレスクのストリッパーからサーカス芸人、マジシャン、その他ありとあらゆるショービジネスの世界の人々をスタジオ撮影している。中からバレエ・ダンサーをまとめたのがこの写真集である。1910年代~40年代に撮影されており、当時のバレエを衣装もそのままに、スタジオでバレエ・リュスの演目を再現撮影したようである。索引に演目、振り付け家、デザイナー、使われた音楽まで記載されていて資料性も高い。  田村さんにはデジタルによる合成を使わない、ネガフィルムによるモノクロ、カラーをすべてプリントしてもらっているが、いずれプリントの管理、販売までもお願いしたいと考えている。久しぶりに古典レンズの話などしているうち、5×7インチのモノクロネガフィルムが、コダックより再発されていたことを聞く。5×7インチは密着プリントでも見られるサイズで、縦長の比率が好きなのだが、以前フィルムが製造中止と聞いてがっかりしていた。カメラは現在3台持っていて、どうしようもない、とほったらかしにしていたが、近々手入れをすることにしよう。巨大な木製1眼レフ『グラフレックス』はレンズを向けられれば後ずさること間違いなしの迫力である。ひさしぶりに大判用古典レンズを着けて覗いてみると、覗く部分の革製フードが独特の匂いがするのだが、『Seymour on Ballet』も本のくせに、なぜか同じ匂いがする。旧いアメリカ製品の匂いということか?ゴシック・ホラーのフランケンシュタインの服や、ドラキュラのマントなど叩けばこんな匂いがしそうである。 田村写真のHさんに貸していたビデオ『徳川いれずみ師 責め地獄』(監督・石井輝男/1969)を受け取ったので、炊き込みご飯のお礼にYさんに貸すことにしよう。

01/07~06/10の雑記
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