明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



アダージョの表紙に、何匹か鳥を使いたくなった。上野動物園に行けばいるのが判ったが、行けば他の物も観たくなり、一日が潰れるに決まっている。使うとしてもほんのちょっとだし。などとつらつらしていると、拙著『乱歩 夜の夢こそまこと』の中の『目羅博士の不思議な犯罪』で、上野動物園(某日10)に撮影にいったのを思い出した。雑記を読み返していると、この頃は乱歩一色。まさに乱歩漬けの日々で実に楽しそうである。あれは何に近いかというと、行っちゃ行けないとか、食べてはいけない、といわれてるのを、親の留守中にやりまくる子供の気分である。こんなことを大人になってもやらせてくれる江戸川乱歩は素晴らしい。作品集を作るにあたり、それまでの、人形とカメラを手持ちで撮る方法では、人形が必ず手前に来るので、全頁それではしょうがないと、慣れないデジタルで合成作業をしたのだったが、今思うと、独学の妙な方法でやっていたので、それがかえってアナログ臭いものになった。作中、明智小五郎を演じていただいた市山貴章さんは、現在NHKの『つばさ』で西城秀樹の部下役を、コミカルに演じている。主人公の女の子は、なんだか、つげ義春の『ねじ式』の主人公のような顔である。使う携帯電話がイヤに大きいと思ったら、顔が小さいのであった。  それはともかく、当時のネガの中に目的の鳥を発見。これで上野動物園まで行かなくてすんだ。とはいうものの、なんだか動物園に行きたくなってしまった。進行具合によっては行ってもよい。 K本にて久しぶりに『乱歩地獄』のプロデューサー宮崎さんと会った。

01/07~06/10の雑記
HOME

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )