明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

  


私が人物を作る場合、重要ポイントとしているのが額である。前頭葉の内容が形に滲み出しているかのようで、ここをないがしろにすると人物のニュアンスが現れてこない。と私は考えている。撮影時にライティングで表情を出すにも額の造形は影響する。 ところがアダージョ次号用人物は髪が長く、額の状態が判らない。額を隠すというのは、シャイな性格をあらわしているように思えるが、ひょっとして機能性を考慮しているのかもしれない? 今回は人物像を何とか完成させたとして、ただ街中に立たせても、まったく華がなく、画にもならない人物なので、工夫が必要である。なんとも厄介な撮影になりそうである。実際の人物を撮るのであれば、本人に華がないのだから、といえるだろうし、とりあえず特集場所に立たせて撮れば目的も果たせようが、私の場合、私が人物まで作るので、本人のせいばかりにできない事情がある。 それにしても実在した人物にたいして華がない、とは随分ないいようのようだが、私は“街中に立たせると”といっているのであり、今回の○○と○○を歩く、というテーマを聞けばうなずけるはずである。というわけで、今回も難題に頭をひねったわけだが、最近は慣れてしまって、むしろ難題が快感になっている。私は一計を案じ、編集長に、某県某所での撮影依頼をお願いした。許可が出なかった場合の次の手は、今のところない。
夕方窓の外を見ると虹が見える。これは珍しいと屋上で写真を撮った。階下のYさん、今頃部屋かK本で飲んでるなら見られるな、教えてあげようと電話をすると、仕事先であった。「今ヨーカドーの上に虹が出てたんで」。あとでTVのお天気ニュースで巨大な虹が出たといっていた。なるほど、虹はヨーカドーの上だけに、こじんまりと浮かんでいたわけではなかった。

01/07~06/10の雑記
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