明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



今回もまた、平日に空いてるのはイベント屋のSしかいない、ということで、演舞場前で待ち合わせる。今頃4時といえば明るく、作業に熱中していて、気がつくと開演20分前。あわててタクシーで向かった。
1『鬼平犯科帳』狐火
長谷川平蔵(吉右衛門)密偵おまさ(芝雀)狐火伜又太郎(錦之助)同弟文吉(染五郎)小房の粂八(歌昇)瀬戸川の源七(歌六)相模の彦十(段四郎)  子供の頃は、歌までヒットさせる兄の幸四郎にくらべ、不細工に思えた吉右衛門が、今ではまったく格好良く。長谷川平蔵といえば、先代の松本幸四郎より、吉右衛門のイメージがすっかり馴染んだ。舞台では、まあそのままのイメージ。小房の粂八の中村歌昇は私が小学生の頃、『天と地と』石坂浩二の上杉謙信、子供時代や、獅子文六の『胡椒息子』での名子役、中村光輝のイメージが未だにある。虚弱な小倉一郎が、ゴンズイというジャイアンのようないじめっ子役ででていたから、随分昔の話である。密偵おまさの中村芝雀、狐火伜又太郎の中村錦之助と文吉の市川染五郎の兄弟が良かった。 女性と男性では額のアールが違うが、歌舞伎のカツラは、そこを隠すようにできているようである。そのため実際だったら不自然な生え際だが、男を隠す最大のポイントであろう。それでも隠しようもない娘が一人、でかいわごついわの失笑物であった。
2『於染久松色読販』(おそめひさまつうきなのよみうり)お染の七役
油屋娘お染/丁稚久松/許嫁お光/後家貞昌/奥女中竹川/芸者小糸/土手のお六(福助)鬼門の喜兵衛(染五郎)女猿曳きお作(高麗蔵)油屋多三郎(桂三)召使お勝(歌江)船頭長吉(錦之助)山家屋清兵衛(歌昇)百姓久作(段四郎)  中村福助の七役。早替りが凄い。数えてみると、移動も含め、10秒~13秒で替わっていた。やりすぎの声もあるようだが、七役ともなれば、中にはやりすぎがあって丁度良いと思うのだが。奥女中竹川、芸者小糸が綺麗だったが、個人的には悪役、土手のお六が良かった。女形は綺麗でも、声がイマイチの場合が結構あるが、福助に関しては声も良い。お染と下女が客席を歩いて回るサービスも。小島よしおのギャグはいまどき旧いが、客層を考えるとしかたがない。

01/07~06/10の雑記
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