明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



室生犀星、最初に作るはずだった懐から金魚は、犀星の顔の向きに合わせると着物の合わせのせいで、金魚が懐の陰から顔を出すようにできない。だったら左を向かせて作ればいいだけの話しだが、頭に浮かんでいた構図と逆になり戦意喪失。造幣局の柔軟さが何故私にないのか。そこで二作目に予定していた座っている犀星を始めようと思うのだが、その目の前には本来〝赤井赤子〟こと金魚娘が横たわるはずだが、打ち合わせの予定を月初めにくれるはずが来ない。 〝無い物は撮れない〟これは写真の最大の欠点である。そこで被写体を自分で作れば良い、と始めたが、私は男女を同じ素材、同じ手法で同じ土俵に立たせられる気がしないのである。ただ手足、目鼻の数が一緒だからと言って、〝たったそれだけ〟で、同じ素材、同じ手法で作れる物であろうか?それを証拠に、乱歩用に作った女賊黒蜥蜴は一メートルを超えてしまった。チョウチンアンコウの夫婦か?という雌雄のサイズ差である。結論として、男は作り、女は実物を被写体とし、これにより私の作品世界において、無事男女のバランスが取れるという事となった。 金魚娘はというと、素人の一般人にお願いしている立場でもあるし、もっとも避けなければならないのは『痴人の愛』の河合譲治の轍を踏む事である。いざとなったら代わりに猫でも寝かせておけば良いだけの話しだ、と平然としているべきであろう。

旧HP

『タウン深川』明日出来ること今日はせず 連載第14回〝青春の日の一撃〟

『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube



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