花鳥風月・・・気ままな写真日記

ようこそ、どんこの小部屋へ。ゆっくりくつろいでください。
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猫宮地区の猫社(ねこじゃ)さん伝説

2008-03-04 | 郷土 荒尾
 平成20年3月4日(火)

 去る1月27日の「知り合いのM邸の上棟式・餅投げ」の記事で予告していた猫宮地区の猫伝説を紹介します。「猫宮」は小字の地名です。
 猫が祀られている猫大明神は小さな祠です。地区の一角にあります。



 歴史的な由来は不明ですが「猫社(ねこじゃ)さん」と呼ばれるまつりが毎年一月十日に今も行われています。代々宮守をしているのが私の同級生の松尾家です。
 このまつりに因んだ話のなかに「せなが長者」があります。市の教育委員会が作成したのを引用します。

 昔、この付近の入江に出入りしていた唐船との貿易によって栄えていた「せなが長者さん」は、このあたりには勝てる犬や猫はいないという、とても喧嘩が強い猫を飼っていました。あるとき、とある唐船の船主さんが、長者さんと酒を酌み交わしているうちに、この猫の話を聞いて、「お互いの宝物を賭けて、私の犬と勝負しましょう」と申し出ました。船主さんの犬も、これまで喧嘩に負けたことがない犬だったからです。長者さんは即座に承知しました。猫と犬はすさまじい闘いをして、その果てに猫が勝利し、犬は死んでしまいました。
 そこで、長者さんは「金の茶釜」を手に入れ、これは間もなく荒尾郷を治めていた小代家に献上されました。しかし、自慢の猫は、闘いによる深手が原因で、二、三日後に死んでしまいました。長者さんはこれを哀れんで、祠を建てて霊を慰め、これが「猫宮」となったそうです。

 松尾家は宮守としてお札を刷り、地区の家々へ配ります。関係資料も保存してあります。



 全国の猫に関わる物語、伝説を調べている八岩まどかさんも数年前取材に訪れ、その著作「猫神様の散歩道」(青弓社)で紹介されています。ここで紹介されている話はまた内容が少し異なっています。諸説があるところが面白いところでしょう。



 著者のあとがきを一部紹介します。「熊本県は私の生まれ故郷なのだが、猫神様探しの旅をして、あらためて猫に関わる伝説や寺社が多いことに気づかされた。(中略)九州の中でも熊本県にこれほど猫神様が多いのかは興味深い点である。」

【注:M邸と松尾家は同一ではありません】
コメント (20)
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