京都マラソンのお土産で買ってきたブラックサンダー抹茶味を、先週の授業の始めに生徒たちに渡したのですが、その反応が様々で考えさせられました。
もちろん、みんな「ありがとうございます」とお礼は言えるんだけど、そそくさとカバンに入れてしまう生徒もいて、会話が続かない。せっかく、コミュニケーションのきっかけになるのにね。
でも、中には「何すか、これ!どこで買ってきたんですか?」「抹茶、好きなんです。先生は普通のブラックサンダーは食べるんですか?」と逆に質問してきて、会話が弾む生徒も。改めて、スモールトークの大切さに気づかされました。
社会人になって気づくことですが、人と会った時の最初のちょっとした会話(スモールトーク)でコミュニケーションが深まります。子供の頃、親が道端で知り合いと出くわした時、「今日もいい天気だね」「ようやく暖かくなってきたね~」と他愛もない天気の話をしているのを聞いて、「今、天気の話をして何の意味があるの?」と訝しく思っていましたが、コミュニケーションのきっかけを掴むための無難な話題が天気なんだと気づいたのは、社会に出てからでした。
先日の日曜日、飯田で終日仕事だったのですが、初めて会う方に名刺をお渡しした際、名刺の表面にランニング姿の写真を載せているので、「あ!マラソンされるんですか?」と聞かれ、「実は、先週の日曜日、京都マラソンで自己ベストを出しまして・・・」と、一気に場が和み、会話が盛り上がりました。 ちょっとしたことでコミュニケーションが深まりますね。
私は、授業開始後いきなり宿題の確認とか、その日に予定している文法の説明などは行いません。まずは、学校での出来事を聞いたり、私自身の近況報告をしたりと、場を温めます。落語でいうところの「枕」ですね。15分くらいを「枕」に費やすこともあります。授業での「枕」と、生徒の集中度やその後の学力の伸びには大きな相関関係があると、長年の指導経験で気づかされているからです。
当たり前ですが、英語は言葉であり、コミュニケーションのツール。"How are you?” "I'm fine."だけで終わらない、最初のスモールトークを楽しめるコミュニケーション力の重要さを、生徒たちに伝えていきたいと思います。