になるとね、ガサツな僕でも、少しだけセンチな気持ちになる。
大雑把なのが僕なんだけど、少し気温が上がれば虫たちの囁き、
風冷たければ、空に現れる季節の変化。
少しだけ秋風にかさつく木の葉のお喋りは、やがて紅葉と風のメロディに乗って消えていき。
秋の一時を語り尽くした一夏の思い出は、虫たちが春まで過ごす暖かき寝床となり。
弱き陽光は彼らにとって幸せな微睡みとなる。
落ち葉の上を歩むその不思議な感触は、過ぎ去った夏がくれるもの。
ふと、足をとめ、その次に深呼吸をする。
清らかでいて、清々しくて・・・・
掴めるはずのない、秋を右と左の手の手のひらで包んでみる。
いいや、特に理由なんて無い、なにかを感じられるような、
そんな気がしたから。
By 翔